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カテゴリ:子育て・教育
勝間和代さんの「高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人」という本をamazonで目にして、思うことが多々あったので、私見を書いてみました。
ここ数年、若手の仕事ぶりを見ていると、視野が狭く、変化に対する順応力が低い人が増えているのではないかと心配になります。 例えば、環境が変化したときに、以下のような傾向があります。 ・事業やプロジェクト全体と自分の仕事(部分)との繋がりが見えていない、または意識が希薄。 ・変化した結果、現行のやり方では非効率、不整合が起こる可能性があっても予測ができない。 ・状況が変わっても、同じやり方を繰り返す。 ・もし、問題に気付いたとしても、他人と調整しようとしない。(問題を放置したまま) ・想像力が弱いため危機意識が低い。 これは学歴とか事務処理能力の優劣に関係のない傾向だと思います。 私は、この原因が、子供時代の教育、遊び方、生活にあるのではないかと考えています。 幼少時代(幼稚園や小学校低学年)、お友達といっしょに遊んだり、喧嘩したりする中で、社会脳が鍛えられ、自分なりに社会の中で生き抜くための知恵が育っていきます。 しかし、テレビゲームが子供の遊び時間の大半を占め、ゆとり教育に対する危機意識から、塾などの習い事が増え、中高一貫教育のブームから中学受験が増えたことなどの影響により、圧倒的に子供同士で遊ぶ時間が減ってしまっています。 私は、これが原因ではないかと思います。 人間の知性には、「スタティック・インテリジェンス」と「ダイナミック・インテリジェンス」という2つのモードがあると言われています。 「スタティック・インテリジェンス」とは、固定的な知識や行動パターンの蓄積、それらをコピーのように再現・反復する能力のことです。教科学習や知能テストのような課題には有効で、変化のない状況での問題解決に役立ちます。 一方、「ダイナミック・インテリジェンス」とは、絶えず変化する複数の情報、同時に生起する情報を処理する能力で、複雑な現実の生活や対人関係の中で問題解決し、学習するのに必要な能力のことです。 テレビゲームや塾などでの学習はスタティックインテリジェンスの成長には役立ちますが、「ダイナミック・インテリジェンス」は育ちません。 「ダイナミック・インテリジェンス」は、子供同士の遊びや、団体スポーツなどで育ちます。 「スタティック・インテリジェンス過多」の人は、予測可能な決まった結論が得られる仕事を好みますし、得意ですが、変化に富む仕事は苦手であり、ストレスがたまりります。 前述した日本の若者の問題は、こうした「スタティック・インテリジェンス過多」の教育や生活に問題があるのではないかと考えています。 「スタティック・インテリジェンス」と「ダイナミック・インテリジェンス」どちらが大事かは、人それぞれの価値観であり、良し悪しなどないと思います。 「スタティックインテリジェンス」に優れた人が、学者、技術者、芸術家として成功する例は沢山あると思います。 しかし、社会や組織が発展するには、環境の変化に敏感に反応し、建設的に行動し、組織を取りまとめていく「ダイナミック・インテリジェンス」を備えた人も必要なのです。 私は、今の日本には、どちらかというと「ダイナミック・インテリジェンス」に優れた人材が不足しているのではないかと感じています。 親としては、自分の子供が幸せになることが最優先だと思います。 どうすれば子供が経済的に自立し、満足な生活ができるか? 親にとっては最大の悩みですよね? 親として、どういった戦略により子供の自立を実現するか迷うところです。 ひとつ言えることは、変化の激しい時代に「スタティック・インテリジェンス過多」では、変化に適応できず、本人のストレスもたまり、生活の満足度は低くなってしまうということです。 若年層に、うつ病や適応障害が急増していることとの相関も可能性があると思いますので、幼少期の時間の過ごし方についてはバランスが崩れていないか注意が必要だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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