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テーマ:ペットの死(565)
カテゴリ:お気楽~ひとりごと~
カンナが天に召された日、悲しみや寂しさはもちろんのこと、そういった感情とは別に
「葬儀やお墓の手配をしなくては」という現実問題に直面した。 以前から知っていた『ペットのお寺』として有名な寺院があったのだが、そこの本院は 別の場所(車で1時間半くらい)にあり、火葬はそちらで“まとめて”行われるという話だったので 急遽、ペット霊園探しとなった。 父が電話帳から探し出した中から、一番近くて、尚且つ、信頼できそうなところに いくつかあたってみることにした。 近所のお不動さまの関連施設となっているペット霊園があり、問い合わせてみると・・・ 何と《月曜は定休日》だという留守番テープが!! 一応、留守電にメッセージを入れてみたものの「一時間待っても連絡がない!」と 母から不安げな電話があったので、「行った方が早い」と車を走らす。 お不動さまの受付窓口の女性に聞いてみたが「施設が定休日なので誰もいない」との返事。 明日まで・・・このままカンナを放置? そんなことできないよぉ~。(>_<) もう一件、お寺の名前になってるところに電話してみたが、今はもうペット埋葬はやってない、と。 仕方なく、いわゆる『ペット葬儀業者』に問い合わせてみると 「これからひとつ予定が入ってるから午後2時に来てください」とのこと。 ま、しょうがないか。きちんとやってくれるなら、お寺にこだわることもないよね。^^; ということで、両親とカンナと妹を乗せて、カーナビで住所を検索していったのだが、 いたって普通の街中で、いったいどこにそんな施設があるのか?? あらかじめ電話で聞いていた、目印となる交番や大型店舗はすぐに見つかったけど 肝心のその場所がわからない。むむむ??(@_@) とそのとき、道路に面したプレハブの建物に『ペット葬儀業者』の名前の入った看板を発見! 「ええ??(^◇^;) こ、ここですかぃ??」 例のお不動さま関連施設の立派なペット霊園の写真を見たばかりだったので、そのギャップが。。。 隣の工場みたいな小さなガレージ前の道路に車を停めて待っていると、 様子を見に行っていた父が、ガレージの前に車を入れるようにと。。。そのとき初めて気付いた。 何かの工場・・・と思ったのは《火葬場》だったのだ!\(◎o◎)/ 二機の焼却炉らしき装置の横に祭壇があり、菩薩像のようなものやお花が飾られていた。 中年の男性がふたり、段取りよく、だけど決して事務的ではない配慮のある応対で、 紙製の棺(ちっちゃくて可愛いのだ♪)にカンナを移すようにと促す。 さすがに半日近く経っているのでカンナの体はカチンコチンだ。 最期に母にしっかり抱きかかえられて棺のベッドに横たわる。大好物の削り節と、お花もね。 ずっと堪えていたけど、カンナに言葉をかけ続ける小さな母の後姿に、堰を切ったように涙が溢れた。 いいよね、今は頑張らなくても。ありったけの涙でカンナを送ってあげよう。 火の入った焼却炉は、そばに近寄るだけで皮膚が焼けそうなほどの熱気だ。 ちょっとだけ、ちょっとだけ熱いけど我慢してね。天国への通り道だから。。。 一時間弱の待ち時間、必要書類の記入や精算、そして肝心のお墓となる場所を見せてもらう。 事務所の裏に隣接する、14畳(?)ほどのプレハブの建物がそれ。 中は明るく風も通り、一応祭壇のようなものもあるけど、いかにもとってつけたようで思わず苦笑。 確かに、いつでも好きなときに逢いにくることは可能だろうけど、すぐ横は道路だし(爆) 誰でもどっからでも入ってこれるほど開放的ってのも・・・どうなの!?(≧▽≦) アタシと妹はダメ出し。母は「ここでいい」と言ったが、おそらく今は普通の状態ではないし 「お寺の方も見せてもらおうよ」とそれとなくたしなめ、とりあえず納骨は先に延ばすことにする。 業者さんとしては「是非ここに♪」ということなんだろうけど、やっぱり《お墓》は それなりな環境のとこであって欲しいわけよ。^^; 何でも、この会社の会長さんという方が住職さんだそうで、近くの動物の墓地のあるお寺と 提携しているというから、これは是非チェックしておきたいじゃないの♪ 料金が少しお高くなるらしいけど、数千円の違い。ならば絶対に永住の地にふさわしい方がいい! 火葬が済み、再びガレージの方へ。ふたりがかりで丁寧に骨を取り分けてくれている。 何と美しい真っ白な骨か!まるでサンゴのかけらのようだ。 「綺麗だよ~カンナ♪」思わず声をかけた。 人間とまったく同じように「これが上あご」「これが喉ぼとけ」と、ひとつひとつ説明があり、 最後に、いくつかの細かいカケラを「これが爪」と。。。ひょえー!爪もちゃんと残るんだぁ?! 歯はほとんど抜けてしまっていたけど、骨や爪は丈夫だったんだねぇ。 おいしいお魚いっぱい焼いてもらったもんね~。そっか、そっかぁ~。。。 父と母、アタシと妹で、ちっちゃな骨壷の中にカンナを眠らせてあげた。 ピンクの小花模様の可愛らしい布袋で覆われた、ちっちゃな骨壷。 「いつかはその日が来るのだから」と、35日や49日を待たずに納骨することに決めたのは母。 葬儀の帰りに立ち寄り、鍵のかかる鉄の扉に守られた大理石風の立派な墓所と 住職の温かいお人柄に惹かれ、カンナを預けることに決めたそのお寺は、 関東大震災により移転してきたいくつもの寺院が集まる“寺町”にある。 周辺には遺跡もあったりして、こんなところが近くにあったなんて全然知らなかった。 ここならカンナも落ち着いて眠れるし、逢いに行く両親も散歩がてら周辺を散策できて一石二鳥。 今日の納骨には、妹はもちろん、甥っ子と姪っ子も来てくれて、みんなそれぞれの想いを胸に カンナとお別れをしました。 ここには雑記帳みたいなバインダーが用意されていて、お参りに来た人が個々のページに いろんな想いを自由に書き込んでゆけるという、粋な計らいがなされていて、 もちろんそれは、ペットだけじゃなく人間用もあります。(^0^ゞ さっそく我が家の新しいページに「今日からここがカンナのおうちです♪」と記す。 大好きなお父さんとお母さんはいないけど、変わりにいっぱいお友達がいてくれるからね。 寂しくないよ。いつでも逢いに来るから。大丈夫ね、カンナ。(*^^*) ちなみに、このお寺には五代将軍・徳川綱吉の生母である『桂昌院』のお墓がある。 そう、フジテレビのドラマ『大奥』でいうところの“お玉ちゃん”です。(^m^) もひとつオマケに、入り口には『牡丹灯篭』の碑。 すごいでしょ?(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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