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カテゴリ:音楽
(*中学の頃から、文字どおり摺り切れるまで聴いたアルバム) 2023年4月にハリー・べラフォンテが亡くなりました。 すでに沢山の追悼記事が投稿され、彼の歌う「ダニーボーイ」についても幾人かの人々が言及されているので、重ねて言うべきこともありません。 しかし、べラフォンテを知らない人には是非一度、彼の歌う「ダニーボーイ」を聴いて欲しいと思ってます。歌ってこんな風に歌われることも出来るんだということを。 今の時代にはそぐわない歌唱スタイルかも知れませんが、好き嫌いはともかく、一度だけでも耳にしていただければ幸いです。 べラフォンテ特有の細かくソフトな「ビブラート」、低く抑えた歌い出しから「ハイトーン」で歌い上げる後半までのメリハリ。一句一句を丁寧に歌い込みながらも様々な歌唱テクニックが控えめに使われます。半拍置いて歌いだす「タメ」、低い音から本来の音にスライドさせる「しゃくり」、音程を引き下ろす「フォール」、そして長く余韻を残す「ロングトーン」など。 彼の身体から絞り出されるようなこの歌唱は、抑制されながらも情感たっぷりで、一つの芸術にまで高められているように思います。これは凡庸な歌手にはとうてい真似出来ない世界ではないでしょうか。 ♪ HARRY BELAFONTE ~ Danny Boy ~ ちなみに、三島由紀夫がべラフォンテを空前絶後の歌手と絶賛しているので、ご参考になればと思います。 ------------------------------------------------------------ 前のページ/ 20230502 五月の風と大将飾り <アイルランドの調べシリーズ> 次のページ/ 20230513 ダニーボーイという歌の変遷 ------------------------------------------------------------ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023/12/29 11:54:49 PM
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