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2023/05/13
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カテゴリ:音楽

「ダニーボーイ」という歌の変遷については多くのサイトでも語られていますが、私なりに簡単にまとめてみました。

この歌は元々、アイルランドの先住民族の伝承音楽だったそうです。最北端のロンドンデリー地方に住むオカハン族で、17世紀初頭にイギリス軍に制圧されます。しかしその器楽曲は地元に残り、19世紀半ばに街角のフィドル弾きから採譜されたものが「アイルランド古代音楽集」に収録されます。
 
この曲は当初は無名の演奏曲でしたが「ロンドンデリーエア」とも呼ばれるようになり、それに様々な人が詞をつけて世の中に広まり始めます。19世紀末には恋の歌詞が付けられ「ロンドンデリーの歌」として親しまれるようになります。
 
アイルランドの人々に広く浸透するのは20世紀初頭です。出兵する若者への送別歌という内容の歌詞が付けられた「ダニーボーイ」として発表されると、第一次大戦や移民に臨むアイルランド人の間に愛好され、第二の国歌のような扱いにされるまでに至ります。
またC V スタンフォード作曲の「アイルランド狂詩曲」の中にもその旋律が採用され、クラシックの分野でも認められるようになります。


 (*C V スタンフォード - アイルランド狂詩曲第1番/8:05から始まる旋律)

 
こうして現代では世界中の人が愛好する定番曲となっていますが、この曲は特別な意味を持つ曲として扱われているようです。映画でもこの歌を歌うシーンを入れることで、作品における表現や主張を高めたものが見かけられます。
 
J F ケネディやダイアナ妃、プレスリーなどの葬儀では「ダニーボーイ」が流されたそうですが、あちらではこれが定番曲になっているのかもしれません。そう言えば数年前、日本でも​葬儀会社オークスのCM​に使われていました。
 
また村上春樹の小説「世界の終りと~ワンダーランド」にもビング・クロスビーが歌う「ダニーボーイ」がストーリーと絡まって何度か出て来ますね。
 
 
「ダニーボーイ」という歌は、様々なかたちで私らの生活や文化に浸透しているようです。





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最終更新日  2023/06/02 12:37:10 AM
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