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欧州生活16年目 - 伊・独・私の三角関係 -

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mezzana

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2005年04月18日
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テーマ:海外生活(7772)
「犬と子供のしつけはドイツ人にさせろ」、という諺がある。

実際、ドイツの犬はレストランでもテーブルの下に小さく丸まって座り、
テーブルの上で厚いステーキが音をたてていてもびくともしない。
犬を飼う人は税金を払い、犬と共に学校に通って躾けを習うことが義務づけ
られており、道で意味も無く吠え立てる犬を見て人々は首を横に振りながら
その犬の飼い主を冷たい目で睨みつける。

また、子供たちも例えば店に入っても走り回ったり、商品を勝手に手で
触ったりすることは非常に少ない。ただこれは、店内では腕を後ろに組み、
商品に触らないように気をつけながら静かに見て周る親を見て育つからだろうと
私は思う。

日本人やアメリカ人のように、「触っちゃダメって言ってるでしょ!」と
叫びながら親自身があれこれ触るようでは子供もそう育つ。

ただ、ドイツ人は子供と話す時は大抵座って子供と同じ視線まで下がる人が多い。
そして「こんな小さい子がわかるのか?」と思うくらいきちんと話す。
例えば子供が何か悪さをしたときは、どうしてそうしたのかを尋ね、その答えに
よって対応を変える。どういう理由で良くないのかをきちんと説明したり、
もし自分がそういうことを友達にされた時にどう感じると思うかと聞いたり、
座り込んで話している親を電車内や道端でよく見かける。言い訳や中途半端な
理由でもかまわず、自分の意見を言わせる、ということが大切なようだ。

それを見るたびに感心するのだが、反対に「これがあのドイツ人を作るのか」
とぞっとしたりもする(笑)。
子供だからといって「ダメって言ったらダメなの!」という言い方はせず、
必ず彼らの考えを聞き、理由を説明し、とことん話し合う。
やつらの議論好きはこんな小さい時から訓練されているんだ…、とある意味
悲しくなるくらいである。

反対にイタリアでは、子供は王様・女王様である。
彼らは公衆の場でもレストランでも自由に怒鳴り、走り、泣き叫ぶ。そして
そうしたこどもたちを、大人は笑顔で見守っているのだ。
家族と一緒に夜も外出するので、夜中でも外で走り回っている子供たちを
よく見かけるし、(ドイツでは夜の外出は大人の特権で、普通のレストランでも
夜に子供をつれていると不審に思われたりもする。子供は早い時間にベッドに入る)
偏食も多ければ、わがままもし放題。特に男の子は宝物のように扱われる。
大人たちが大声で話すので、子供たちももちろん大声で叫ぶ。
汚い言葉もどんどん覚えていく(笑)。

これは恐らく、イタリア人が一般的に「子供なんだから騒いで当たり前」
「子供のうちくらい好きなようにすごせばいい」という考えているからだろう。
子供がしたいと思うことを無理に「躾け」として押さえ込むことを
良いこととは思わず、それよりも家族の愛情を様々な方法で表現しながら、
優しく見守る方を好むようだ。

その結果とは…?
驚くことに、ある年齢になると子供のわがままも治まり、
愛情いっぱいの家族思いの子供へと成長していることに驚かされる。
偏食はなかなか治らないことが多いが、常に両親や祖父・祖母を気遣う優しい
子供になっているのだ。
これは愛情を注がれた子供は健やかに成長する、ということの証だろう。
イタリア人の性格から、近所の人はもちろん見知らぬ人も子供たちに
気軽に声をかけるから自然と子供たちは常に大人の目の届くところに
いることになる。

まさに昔の日本がそうであったように。

ただ、これまた日本と同じように、PCやコンピューターゲームの普及や、
女性の自立とともに子供たちが一人ぼっちで過ごす時間が
増えてきているのは確かなようだ。
けれどもまだまだ2世帯、3世帯が近くで住むことの多いイタリアの環境、
また世話焼きで子供好きなイタリア人の性格から、
この国の子供たちはもうしばらくは健全に成長することになると思う。

様々な国で様々な教育方針があり、どれが良くてどれが悪い、
ということは一概には言えない。しかし色々な方針を知ることにより、
自分の子供にどのように接するべきかと考える時の選択の幅は
広がることになるし、周りの子供たちにどのように接すればよいのか
を考える時の目安になるだろう。

こういう色々な文化や環境を比較できる状況で生活できることに
感謝をしつつ、それを上手く取り入れながらこれからも
毎日過ごして生きたいと思う。





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Last updated  2005年04月19日 00時33分40秒
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