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欧州生活16年目 - 伊・独・私の三角関係 -

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mezzana

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2006年10月11日
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テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:イタリアの病院
私が入院したのは婦人科だが、そこにはお腹の大きな
妊婦さんたちを大勢見ることが出来た。

産科は数メートル離れたところに「関係者以外立ち入り禁止」
のドアがあり、出産が近い妊婦さんたちはそこに入院して
いるのだが、例えば「ベッドから落ちてお腹を強打した」
「予定日を大幅に過ぎている」などちょっとした問題のある
妊婦さんたちは婦人科に入院していたからだ。

入院前の検査の時を含め、顔を覚えている妊婦さんが数日後に
小さな小さな赤ちゃんを連れているのを見るのはこちらまで
嬉しくなる。そう、 あの 声を聞いているから余計に…。


私の病室は、婦人科と産科の境目の最も端っこにあった。
なので毎回、出産の最中の 妊婦さんのいきむ声がとてもよく聞こえてくる。

出産経験の無い私には最初のうちこそ恐ろしいものとして聞こえていたが、
そのうち彼女たちにつく看護士たちが出産直前にならすアラームの
鳴り方を覚えてしまい、それが聞こえるたびに夫と共に


ほら、始まるよ!頑張れ、頑張れ!!


と応援するほど入院中の楽しみ、と化していた。


日本で他人のいきむ声など耳にしたことがないので比べようが無いが、
イタリア人はこんな時まで笑わせてくれる。
(命をかけて必死に頑張っている彼女たちには申し訳ないのだが…)



あ-いぁっ!、あ-いぁっ!、



これはイタリアで万人共通の「痛いっ!」という言葉なので当然毎回聞こえる。
そして皆さんご存知の、
 


うぅ-、マンマミ-アッ!



マンマミーア=おーまいごっど。
英語圏の人々が「神様」を使うのに対し、イタリアでは「お母さん」を使うあたり、
イタリアでのマンマの地位がみなさんにも想像していただけることと思います。
特にこの声、
 


まんまぁぁぁああっ!!!!



聞いた時は感動的でさえありました。
マンマ=母親、ですね。この叫び声は非常に大きく、
この後すぐに赤ちゃんが生まれたように思います。

まさに「最後の叫び」だったわけですが、その言葉がマンマ…

「あなたがマンマになるんだよ!がんばれ、がんばれ」
と看護士に言われながら頑張ってましたよ。


そして極めつけ、



パパァアアァーッ!!!!



おわかりでしょうがパパ=父親です。
こんなところで呼ばれたらお父さんも本望でしょう 笑。

こういう状況でパパと叫ぶなんて日本ではまず考えられないことですが、
イタリアは「母親&息子」、そして「父親&娘」が非常に非常に
強い絆を結んで仲良くなる、というのは定説なんですね。
なのでこの妊婦さんもたぶんお父さん大好きっ子で育ったんだと思います。


そして、イタリアでも当然生まれたばかりの赤ちゃんたちは
ある場所に集められて健康管理をされているわけですが、
赤ちゃんのパパとママ以外の人たちが彼らに会える時間というのが
私がいた病院ではもうけられていました。



えぇ、午後9時半です 笑。



私が抗生物質の点滴を受けながらウトウトとし始め、
「さぁ、寝るか」と掛け布団を整え始めた頃、
赤ちゃんの部屋を探して迷い込んだ人たちが大量に
廊下を歩き回るわけですね。

病室のドアも、何かあったときに便利なので開けっ放しですから、
通りかかる人たちはまるで 動物園でオリの中の動物を見るかのように 私を
覗き込んでいくわけですね。それも次々と。


イタリアでは食事の時間が非常に大切で、
どんなに忙しくても家に帰ってマンマが作った食事を
食べる人がほとんどです。

なので仕事が終わり、家で食事をして、その後みんなで
「赤ちゃんを見に行こう!」となるのも当然の成り行きなんですが、
病院側もそれを見越してそういう時間を設定しているんだと思います。


それも家族の団結が強いイタリア、
誰かが一人で赤ちゃんを見に来る、なんてことは絶対にありません。

おばあちゃん、おじいちゃん、兄弟・姉妹、
時には近所の人まで引き連れて出産を祝いに来るわけですよ。
おまけにイタリア人は日本人と似て「イベントにはプレゼント」と
考える人たちですので、それぞれ大きな贈り物をかかえて
病院にやってくるわけですね。


それが、毎日、赤ちゃん一人のためではなく、
ここ数日の間に生まれた赤ちゃんすべて のために
この大家族が 押し寄せてくるわけです…。

その上、その団体さんが赤ちゃんにたどり着いた後の賑やかさ!

んまぁぁ-ぁ、なんて可愛いのかしらぁ-っ!
んぅぅうんん-♪
ゥばばばばぁ-、おばあちゃんでちゅよー

赤ちゃんを見たときの人間の自然な反応は世界共通のようです 笑。
しかしイタリア人の声の大きさは日本の比ではありません。


あのー、普通に入院してる人もいるんですけど-



おまけにそばにいる人同士、自己紹介が始まるし、
その後は当然世間話につながるんですよね。
ったく、イタリア人って 笑。

でもまぁ、赤ちゃん誕生なんて家族を大切にするイタリアでは
本当に本当に重要なニュースだろうし、それを皆が心から
喜んでいる様子がものすごく伝わってくるので
会話を 盗み聞き するのも結構楽しい時間でした、へへ。







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Last updated  2006年10月11日 19時10分04秒
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