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テーマ:びば!イタリア(3)
カテゴリ:今日の驚き/イタリア
イタリアで暮らしていれば、誰もが一度は耳にする言葉、
「Lovoro nero=黒い仕事」、つまり ヤミ労働。 通常は滞在ビザを持たずに密入国し、 労働ビザを持たずにこっそりと仕事をする 外国人労働者の違法の仕事をさすことが多いのですが、 いえいえ、イタリア人だってやってるんですよね…。 先に説明しておきますと、我新居は築4年目。 ただ前住人は親の代からケーキ屋兼BARを経営しているので 朝5時から夜中までほとんど店で過ごします。 食事も毎回親の家でとるのでこの家で過ごす時間は 仕事の後と、店の定休日くらいなものでした。 しかし、 なぜかバスタブは傷だらけ。何かとんでもなく硬いものを 落としたりぶつけたりして出来たかと思われる傷がいくつかあり、 そこからサビも生じていたので業者を呼び、新しく塗装してもらうことになりました。 電話で各サイズを告げ値段を聞いたところ「EUR250からEUR300」 という返事。 この値段の幅はきっと傷の状態を実際に 見てから決まるのだろう、 とアポをとった私たちでしたが… 当日、塗装が終わったあと、その業者の言葉はこうでした。 領収書が必要ならEUR300、いらないならEUR250でいいよ♪ あぁ…、そういうことですか(笑)。 つまり、領収書を発行すると仕事の履歴が残るので、 後々そのための税金を支払ったりすることで彼にもコストがかかる。 しかし領収書がいらないなら仕事をした証拠が残らないので そのEUR250は丸々彼の懐に入るため、その分安くしておくよ、 というなんともイタリア式な商売のやり方なわけですね。 こうしたことは個人で店やオフィスを開いている人が 良く行う方法で、 「大企業」に勤めるサラリーマンという職業が日本に比べて圧倒的に少ない イタリアでは日常茶飯事なのでありました。 ということでイタリアで暮らしていれば普段からこうしたことに 自然に慣れていくものではありますが、今回新居関連では皆さんあまりの 黒い仕事 っぷりに驚きを隠せない私でした…。 不動産屋、土地の測量士、公証人、水道屋、門の修理屋… みなさん会計の際にはまず聞いてきましたからね(笑)。 「領収書、いる?」 当たり前だろ!(笑)。 ちなみに普通の店でも個人で経営しているようなところが イタリアには多く、レジで小切手を出しながら「領収書いらないけど?」 と暗に「クロ でいいから安くしろ、」と 客が脅しをかけている(笑)光景をよく見かけます。 この場合はクレジットカードで支払うと履歴が残ってしまうため、 現金か小切手のどちらかを支払方法として選ぶわけですが、 小切手だと 相手にレジを開けさせる手間を省くことが出来る上、 受け取った人が 周りの客に知られることなくさっさとその小切手を ポケットに入れ、 素知らぬ顔でそのまま業務を続けることが出来るため、 「黒いお仕事」 には欠かせないアイテムとなっているわけです。 続いて、「黒いお仕事パート2」として、セカンドジョブに ついても皆さんに説明させていただきましょう。 これは、主に公務員や安定した企業に勤める人が、仕事の前後や 休みの日に別の仕事をする場合をさします。 こうした人たちは毎月きちんと給料が入り、ボーナスもあり、 年金等の システムもしっかりとしているという利点がある反面、 すべてを 会社がきっちり把握しているので ズルができません (笑)。 なので時間が空いている時に、小金を稼ごうとするわけですね。 例えば、元電気職人ルチアーノの場合、知人の個人経営のオフィスに 声をかけ、必要なときに配線工事などを領収書無しで手伝います。 元壁塗り職人のマリオの場合は、誰かが引っ越すと聞けば飛んでいって 壁塗りのお手伝い。元トラックドライバーのルイジの場合は お店の商品配送などをお手伝いするわけです。 これにより、彼らは安定した生活を保障してくれるきちんとした職を 持つと同時にポケットマネーが増えていくというわけですが、 驚くことに彼らはかなーり稼いでいます。 そして仕事の質も悪くない。 きちんとお金を払ったところで、良く知らない人なわけですから、 きちんと仕事をこなしてもらえるかどうかはまるでわからないのが イタリア。ならば多少問題があったとしても予め仕事の質を わかっている知り合いに頼もう、と考えるイタリア的考えのため、 彼らは今日も「セカンドジョブ」のために本職の有給を取るのでありました。 しかしイタリアでこうしたすべての仕事がきちんと管理されたとしたら、 この国の経済的な数値ってものすごーーーーっく上がるのではないのでしょうかねぇ…(苦笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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