未知の写真展

もやもやした現実から逃げたくて一人突然旅立った台湾。

到着した台北はとても都会で。
なんだか東京にいるのとあんまり変わらない。
そんな気がしていた。

だから、私は鉄道とバスを黙々と乗り継いで。
海が見える台湾のだいぶ北の方までやってきた。

どんよりとした曇り空と、激しく聞こえる波の音と、奇妙な形の岩。
そんな寂しい景色を眺めながら、ぼんやりと一人いろんなことを考えた。

私はなんでここにいるのだろうか？とても不思議な気分になった。
人影もまばらでものすごく孤独な場所にいるにもかかわらず、
いつもどこかで感じている寂しさは何故か消えていた。

タバコを４本吸った。
目の前に迫る高波にこのまま飲み込まれてしまうように思った。
小さくて無力でなにも出来ない自己の存在をなんだか思い知らされた。

□写真：２００６年１０月２日　台湾　和平島公園