管理人のおじさん
私達が借りているアパートの一階に住んでいる管理人のおじさんは愛想がよく、働き者。ごみだしやら廊下のそうじやら、なんでもやってくれる。ときどきアパートの入り口で会うといつも"Hello, how are you?"と声をかけてくれる。いつもは挨拶だけで終わるのだが、先日ちょっと会話らしい会話をした。朝9時からの授業があって出かけるとき、いつものようにごみだしをしていた管理人のおじさんに "Morning"と声をかけると、おじさんは、“Off to school?" これはきっとまた学生だと思われているなと思い、わざわざ“Yeah, I'm going there to teach."と答えた。するとおじさんは案の定驚いた顔で、“Oh, are you a teacher? What do you teach?"“Japanese"更に驚いた顔で、“Oh, are you a KONNICHIWA?"何という質問だと思いながらも、言いたいことは分かったので、"Yes, I'm Japanese." とだけ答え、授業の時間に遅れそうだったので、まだ驚いて目を丸くしているおじさんを残してさっさと歩き出した。その日の夕方、アパートに帰って来たとき、またもや管理人のおじさんに会ってしまった。すると今度は、“How was KONNICHIWA?"だって。このキウイのおじさんにとっては、KONNICHIWA=日本人、日本語の授業、いや、ひょっとしたら日本のものすべてがこの一言でくくられているのかもしれない。