カテゴリ:シェパード 1
その犬とは思えぬ声に出迎えられ、私はとある警察犬訓練所に辿り着いた。 そこは我家から車で1時間程の距離にあり、地元では優秀な警察犬を輩出していると評判の 訓練所だ。先程お出迎えしてくれたのは、そこの長老でボス犬らしい。 あまりにデカくて犬とは思えない。そう、まるでロバだ。 ミッキーはそのロバに恐れおののいている様子だ。 すると、「なんだオメー!いったい何食わしてもらってんだ!?かわいそーに!!」と 背後から声が。振り向くとそこには立派な太鼓腹をしたおっさんがいた。 その人がここの所長らしい。哀れみとも、さげすみともとれる口調でおっさんは続ける。 おっさん:「生肉食わしてるかい?」 私:「はぁ?なんですか?」 おっさん:「生肉食わせなきゃ頭良くなんねーよ!うちは馬肉を生で食わしてるからね。 しっかしチビだなぁ。何ヶ月だい?」 私:「はぁ・・・。6ヶ月です。」 おっさん:「6ヶ月!?そんじゃアイツと同じかぁ。」せせら笑いながらおっさんが指を さす方向には今日、この訓練所に入所したというシェパードがいた。 デ・カ・イ!!! なんとこの新人はミッキーと同じ、まだ生後6ヶ月だというのに体重がすでに30キロも あるという。ミッキーはといえば当時16キロ・・・。 うぅ・・・半分しかないなんて・・・・。 これでもお金も愛情もタップリ注いで育ててきたつもりだ。それなのに・・・。 絶句する私の横でミッキーも半狂乱になってウギャウギャわめいている。 ミッキー自身もショックを受けたのだ。 おっさん:「どーする?今日このまま置いていくかい?」 私:「いぇ!結構です。少し考えてみます。」 こんなところに預けたらきっとミッキーは殺される。 半狂乱のミッキーを引きずり、そそくさとその場を立ち去ったのだった。 -つづく- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月11日 21時17分32秒
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