カテゴリ:その他
う~ん!重い言葉だ・・・。 さかのぼること今から13年前、平成5年9月、私の母は癌で死んだ。 60歳の誕生日を明日に控え、かろうじて59歳のうちに母は逝った。 女にとって1歳の差は大きいが、何も最期までひとつでも若いうちにとでも いうのか、そんなに速く逝かなくてもとつくづく思う。 母が体調不良を訴え、病院に行った時には既に末期癌で手遅れだった。 入院して3ヶ月、苦しみぬいての最期だった。 入院中のことだが、今でも忘れられない出来事がある。 もう食事は一切受け付けず、点滴のみで命を繋いでいた母が突然私に頼みが あるという。なにかと聞くと、「カップわんたんが食べたい!」と言う。 しかもメーカーまで指定するのだ。 マルちゃんのカップワンタン!! 「よっしゃー!」二つ返事で私は買いに走った。しかし・・・無い! 病院近隣のスーパーを全て見て回ったが、何故か母が希望するマルちゃんの ・・・がどこにも売っていない。 仕方なくメーカーは違えどカップワンタンには違いないだろうと他社製品を 買った。確かニュー○ッ○だったと思う。 病院に戻り母に買って来たワンタンを見せると母はすごく怒った。 マルちゃんじゃなきゃイヤだと言うのだ。 そんなこと言われても一生懸命探した私の立場は・・・? しぶしぶワンタンを口にしたものの「やっぱりマルちゃんのほうがおいしい。」 と、この後に及んでまだ言うのだ。 当時の私はまだ若く、人間が出来ていなかった為(今も?)病人相手に 「だってないんだからしかたないでしょ!」などと怒ってしまった。 その時の母の悲しそうな顔・・・。 今思えばあれが母の最後のワガママ。 どうして聞き入れてあげられなかったのか。 もっともっと何軒だって店を回って探せば見つけることが出来たかもしれない。 たかがワンタン・・・。しかし母にとって人生最後に食べたかった食べ物。 母はもともと食べる事に執着するタイプの人間ではなかった。 しかし突然病気になり日に日に衰弱していく中で、人間の三大欲求である食欲が 死の直前にたまらなく湧いてしまったのか。 近頃いじめで自殺をする若者のニュースを見聞きするたびに、生きたくても 生きられなかった母を思う。 当然だが命はひとつしかない。 たったひとつの命を粗末にしたら後に残された家族がどれだけ嘆き悲しむことか。 自分から命を絶つなんて決して許されないことと私は思う。 命! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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