コンプレックス
ミッキーは小兵ながらも姿形(すがたかたち)は立派なシェパードになった。 ほらね!なかなかでしょ!?ただ一部分を除いては・・・ね。その一部分とは尻尾どうも他のシェパードと比べると尻尾が貧弱なのだ。 ミッキーが小さい頃の尻尾は細くて長い、まるでねずみを連想させるものだった。しかし、大人になれば本やテレビで見る立派な、そうまるで狐の襟巻きのようなフッサフサの尻尾になるのだと信じていた。 ところが、一向にそうなる気配はなく未だにヒョロヒョロ尻尾のままなのである。気持ち少しずつではあるが太くなってきている気もするが、まだまだ狐には程遠い。3歳を過ぎた今となっては、体が小さいのはもう諦めよう。人間だって成人過ぎてから身長がグンと伸びるなんてことはないのだから。しかしせめて立派な尻尾は欲しい。 以前、ミッキーと公園を散歩中、すれ違いざま見知らぬジジイに、「なんだおめえ!尻尾がヒョロヒョロだな!」と言われ、すごーく傷ついた。チクショー!痛いところを衝いてきやがる。こうなりゃ尻尾にエクステしたろか!?と本気で思ったほどだ。それもどうかと、逆毛をたててブラッシングをする日々。それくらい、私にとって唯一のコンプレックスなのだ。 いったい何がいけないんだろう。まめにシャンプーをするので余分な毛が流れ落ちるから?だとしたらあのフサフサは無駄毛ってこと? あぁ分からんとにもかくにも「あたしゃ、も少し毛が欲しい~~!」