吸涙鬼
おはようございます。今日から4連休です。DAWったり読書したり、のんびり過ごします。一冊の本を読み終え読書メーターに投稿しました。転載します。吸涙鬼 [ 市川拓司 ]涙も血液から作られ滲むものだ。だから「吸涙鬼」が求める涙も人の中に通う熱い血である。市川さんの作品は久し振りに読んだが、負の領域を攻めるファンタジーは独特で期待通りだった。主人公の美紗は遺伝的な病で余命短く虚弱だ。ある日高校の屋上庭園で作業中に倒れた美紗は、転校してきたばかりの冬馬に助けられる。冬馬はクラスに馴染むことなく、達観したように暴力に無抵抗で、人を避けるようにしている。そんな謎めいた冬馬に美紗は強く惹かれていくのだが、彼は人の涙を…。高純度の恋愛には代償がある。そう簡単にカタルシスは得られない。