獣の奏者4
全四巻、壮大な物語を読み終えた。読書メーターに投稿したので転載します。獣の奏者 4完結編 [ 上橋 菜穂子 ]戦いに赴くエリンとジェシが別れるシーンで遂に涙腺が崩壊。壮大な物語の終焉への感動とカタルシスの涙だ。闘蛇と王獣は兵器のメタファであり、恐怖が行動を支配し戦いをやめられない人間の方が、群れで生きる「獣」だと云う。ファンタジックな生物は、人工物の兵器と同じでないと期待させた。だが、王獣や闘蛇を完全に制御出来ないことは、人の中にある野蛮さや短絡的なヒステリーを制御出来ないのと同じことだ。最期の狂った戦いは、生身の人間を排してドローンやAIやサイバー攻撃によって、終われなくなった世界戦争を暗示していると思った。