Once in a Blue Moon

今まで、家族にも言っていなかった

トラウマがある

水泳もできる

潜水もできる

ただ・・・・

水中で聞こえる空気の泡の音　

ブク。。　ブク。。

これを聞くと恐怖に襲われる

これは、子供の頃から・・・

沖縄旅行が決り

ダイビングの予定を

楽しそうに組んでいる

家族の姿を見ていると

益々言えなくなっていた

ダイビング当日

クルーザーで沖に出てポイントに着いた

『怖くない、怖くない』

『大丈夫、大丈夫』と言聞かせていた

でも、呼吸をする度に　酸素ボンベから

あの・・・ブクブク音が

必ず聞こえてくるのは知っている

私のファミリーの順番がやってきた

長男が潜り、妻が潜り、

そして私・・・・

水に顔をつけた途端・・・

恐怖が襲ってきた

インストラクターが、『OK』のサインを私に送る

私は『NO』と手でバツを示す・・・

でも、ここで負ければ旅行が台無しになってしまう

そこで、冷静に考えた

沖縄の透き通る奇麗な海中の景色に集中しようと

そして、潜り始めた

少しずつ、少しずつ、耳貫をしながら・・・

怖い・・怖い・・

長年のトラウマがそう簡単に克服できない

しかし、もう後戻りはできない

私は、自分自身にいつも言聞かせてきた

そして、その言葉を心から信じている

『人生で乗り越えられない課題は与えられていない』と

何度も、過換気ぎみの呼吸になりながら

6ｍぐらいまで潜ることができた

海中記念撮影、魚に餌をあげたり、魚の群れに入ったり

そうこうしている間に

何だか・・・慣れてきた・・・

怖さも皆無では無いが

海中の美しさの方が恐怖よりも勝っている

海中から上を見上げた時

海中に差し込む光は

今までに見たことの無い美しい光だった

私達は、生きていて

誰にも助けてもらうことのできない事がある

それは、自分の心に向き合い

そして、前に進むこと

私は今の年齢になるまで

こんなことも実行できなかった

そう、頭では分かっていても・・・・

そうして

私は何とかトラウマを克服し

ダイビングをすることができた

クルーザーに上がり

『凄く奇麗だったと』口々に言った

そして、私は初めて

トラウマの話しをした

家族は、唖然とした顔で

『辞めれば良かったのに』と言っていた

勿体無い・・・

『諦めたら、何も見えないし、得られない』

私はそう思った

そして

『感謝』の気持ちで一杯になった

やっぱり・・・

『人生で乗り越えられない課題は与えられていない』のだ

これが沖縄旅行で、私が学んできたこと

沖縄旅行記もこれで終わり・・・

PS：

私にはもうひとつのトラウマがある

高所恐怖症・・・・

観覧車に乗っても楽しくない・・

これは、もう放っておこうかな？と思う今日この頃・・・