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カテゴリ:ゆりな
初期嘔吐が続くため、奇跡ちゃん(名前はまだ待ってね)は鼻から胃までチューブを通し、まだ保育器の中に入っています。
その姿はあまりにも痛々しい。 顔を真っ赤にして「苦しい!」って泣いてる奇跡ちゃん。 あんなに小さな体で、一人保育器に入ってるのを見ていたら涙が出てきた。 ずっと涙が止まらず、一睡もできず、目が腫れあがって、今の私はとってもブスだ。 「初期嘔吐はよくあることで、大きな病気とかではない」 そう言われても、私はまだ奇跡ちゃんをこの腕に抱いていない。 「んぎゃ、んぎゃ」っていう控えめな産声を分娩台の上で一瞬聞いただけで、奇跡ちゃんの声をまだまともに聞いてない。 奇跡ちゃんが泣いていても、吐いていても、私は何も世話をしてやることができない。 私はまだ“母親”をやっていない。 奇跡ちゃんに会いにいけば、他の赤ちゃんはみんな保育器の手前に並んで寝ていて、それを母親や家族が嬉しそうに見ている。 廊下を歩けば、産んだばかりの赤ちゃんをあやしながら抱っこしている母親に会う。 部屋にいてもテレビなど観る気にもなれず、ただボーっとしてるだけ。そして、廊下や他の部屋から元気な赤ちゃんの泣き声が聞こえてくる。 他の母親を羨ましく思う心か まだ一度も母親として世話をしていない、何もしてやれない焦りの心か まだ抱くことすら許されない寂しい心か ずっと涙が止まらない。 母となったのだから強くなれ。 今一番頑張ってるのは奇跡ちゃんだ。 そんなことはよく分かってる。 だけど涙が止まらない。 止められない。 小さな我が子をまだ抱けない辛さは誰にも分かるまい。 奇跡ちゃんは苦しくて泣いてる。 奇跡ちゃんは私に抱いてほしくて泣いてる。 奇跡ちゃんは一人で寂しいって泣いてる。 私の愛情を欲しがって泣いてるのかもしれない。 奇跡ちゃんと触れ合いたい。 奇跡ちゃんとぬくもりを感じ合いたい。 今までずっと私の中にいたのに… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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