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カテゴリ:生活
今日は家族攻撃です。 父の続きです。 結局、社長の不正を暴いてリストラにあった父は、 その後、いい人に拾ってもらって建設機器のリース会社に勤め、 自転車で集金、事務、長年培った経理にがんばります。 給料は下がり、ボーナスも激減です。
そのため、私は、公立の学校に行って、国立の大学で 死にものぐるいで勉強して、授業料免除を 勝ち取って、応援です。 阪神大震災の時は、大阪の人は半壊でもだめだと 思いますと、言われましたが、仕事もなかったので それでは困ります。 しかしそれも必死の勉強の結果、全額免除を勝ち取りました。 皆が必死で生きなければなりません。
しかし、人生悪いことばかりではありません。 小さな風が吹けば倒れそうな会社でしたが、 そこで、父は社長の代わりに、海外にたびたび行くことに なります。全部会社持ち。写真の現像代まで会社持ちです。 何カ国行ったかわかりません。 そして、その後倒産しました。
私は、密かにお父さんが何度も海外に行かせてもらった ことも、倒産に拍車をかけたと思っています・・・。
その後、競艇場で長きにわたり、警備員をしました。 今は、朝一から、昼過ぎまで郵便局で働いて、 土日祝日の夕方は、警備員をしています。
父には、私にはない天才的な才能があります。 それは、テレビに出れそうなほどの 驚異的な記憶力です。 これは、持って生まれたものなのか、 私に遺伝されなかったことが、残念でなりません。 弟に遺伝されました。
まず野球と相撲などは、一年の始めにノートに試合、 取り組みなどが書かれ、何対何で勝ったのか。 どこの球場、誰が先発、リリーフ投手は、ホームランは誰が、 ヒットは、などスコアラー並みに書かれています。 しかもたいてい記憶されます。 さらに、その選手、力士は、どこ出身で、どんな経歴で 入ってきたのか、すらすらです。
そんなマニアックな父が、今最大限に注いでいるのが、 平成の市町村合併です。 数年前から、毎日パソコンでチェックし、ノートに どの村、町が合併して、市になったのか、どういう経緯で 合併賛成・反対の結果となったか。 いつそれが施行されるか。 国土地理院か何かに勤めたらよかったのに、という 勢いです。昔から市町村を覚えて、どういう町なのかを 日本全国しゃべれたのですから、その変化に 敏感に食いつかないはずはありません。
なので、新聞やテレビで、少しでも間違えているとうるさいです。 公共の電波で、どうしてそんなことも正しくつたえられないのか、 と電話をして、訂正がされたこともよくあります。 パソコンで調べるより、父の頭の中の方が今は便利です。 年賀状の時も便利でした。 「お父さん、ここは市町村の名前変わってない?」 「どれどれ、あ~、ここは○○町と△△町が合併して □市にこないだなった」即答です。 ただ、そこで終わればいいですが、ついでに そこの特産や、どういう人が出身かなど次から次へと止まらない うんちく続きで、しまったと思うこともあります。
そしてこの年になって、遂に父の本領発揮の仕事に たどり着きました。
郵便局です。
市町村の変化で、小包みの番号抜けも多いですが、 すぐに新しい名前を書き込み、番号を調べて はい、できあがりです。 区内の番号については、もう調べる必要もありません。
おかげで、民営化に伴い、首になるかもという心配が ありましたが、時給が半年にして100円もあがり、 残業も決まり、郵便局でこの年にして重宝されるように なりました。 しかも一番乗りで、職場に行って、電気をつけて、 掃除をして、仕事を始めるという素晴らしい勤務態度です。
父の人生もジェットコースターですが、 やっぱり真面目に、不器用だけど、一生懸命生きてきて、 今一番やりがいのある仕事につけたのかなあ、 と思っています。
私も、ジェットコースターで苦労しても、こんな風に いつかいい人生だったなあ、といえる生き方をしたいなあ と書くと、とても親思いの娘のようですが、 家では、父のことをケチョンケチョンです。
一番の苦労は間違いなく、このやっかいな娘に違いありません。
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Last updated
2007.04.09 12:51:30
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