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カテゴリ:本
先週の新聞の書評に、ひっくりかえってしまいました。
ドキリ。。。
この本の紹介だったのだけれど、この本を読みたいと も思ったが、それよりも、この評を書いている人の本 のほうをより読んでみたいと思った。 こんなことは、はじめてで。。。 歌人 穂村 弘 評「東京難民」福澤徹三-----(2011.8.7 だが、本書」は怪(おそ)ろしかった。 主人公の若者の心の弱さや社会的な知識のなさやその場凌ぎ の行動パターンが、自分と重なってくる。もう若くない私も こんな時はこの通りにするだろう。だが、そのすべてが裏目 に出て、彼(主人公)はぼろぼろになってゆく。 。。。。急に不安になって、(評者、穂村弘は)妻にマッサ ージをしたり、仕事関係者へのメーるが丁寧になったりする。 でも、続かない。 今度こそ、という主人公の決意も続かない。どんなに酷( ひど)い目に遭ってもその心はなまくらなまま。心を入れ替 えるというのは簡単だが、いくら真剣に決意しても人間の心 は一度に1%ぐらいしか、入れ替えられない。らしい。 とすると、泣きっ面を百匹の蜂に刺されないと、すべてを入 れ替えることはできないのだ。 本書には「百匹の蜂」が丁寧に描かれている。テレアポ、 チラシ配り、ティッシュ配り、治験のバイト、ホスト、 日雇いの作業員、雑誌拾い、ネットカフェ暮らし、借金、 友情、恋愛。 家もお金も失った主人公は、様々な生の現場において何とか 状況を立て直そうと必死に頑張る。でも結果は連戦連敗。何 ひとつちゃんとやり遂げることができない。 どんなにぎりぎりの局面でも、主人公の、そして私の心か らは、ふわふわ感が抜けない。 戦後の日本で普通に生まれ育った私たちには、本気で腹を 括って生きるという、それだけの事が難しい。 ------------------------------------------ この書評だけで、もう、完結された作品になってしまって るように思います。。歌人さんということからでしょうか? ベスト盤ということで、こちらの本を求めました。^^;
「何故なのか。物語の最後に至って、その理由がみえてくる」 こうこられたら、もう、「東京難民」を読むしかない? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/08/21 11:19:39 AM
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