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2019年04月28日
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カテゴリ:山縣大弐

山県大弐の歴史 逮捕される

 

大弐逮捕の命令は、老中から町奉行の依田豊前守に出されました。

軍大夫の訴状は、町奉行にも出されていましたから、

奉行所ではすでに捕り方の用意をして待っていました。

江戸の町奉行といいますと、いまの東京都知事が、

検察官と裁判官を竣ねたような権力をもっていましたので、

どんなことでもやれたわけです。

 明和四年一一月利八日、町奉行豊前守は三井伴次郎に命じ、

組子数十名を大弐宅に遭わせたと「近世間見録」にあります。

 大弐は、剣道の達人で兵法にたけていたため用心をしたのでしょうが、

それにしても大がかりの捕り物だったと思います。

 その時、大弐は永沢町の長屋にいました。

大弐は有名な学者でしたが、貧乏にげんじ、質素な暮らしをしていました。

ですから、同居中の藤井右門を除くと、使用人はたったの三人だけでした。

 まず、盲人の東寿です。彼は、いつものように起きて家の中の掃除をしていました。

その東寿の坏に捕り方の足音が聞こえたのです。盲人特有の勘の鋭さでしょうか。

声をだして叫ぼうとした時、書生の富永道生が駆け込んできました。

  「先生、大変です。捕り方が・・・」

声を聞いて逃げだしたのは藤井右門でした。あっという間に姿をくらましてしまいました、

大弐は机に向かって読書していましたが、

すでに覚悟をしていたらしく、少しも慌てなかったといいます。

 それがしは、阿部豊前守様与力三井伴次郎でござる、役目により失礼仕る」

役人の言葉は丁重で、大弐を罪人扱いなどしなかったといわれています。

 大弐自身が、かつては甲府城の与力力をしていましたから、

役人の気持ちが分かったのでしょう。

役目に対し、厚くねぎらいの言葉を述べた後いいました。

  「ご同道の支度をいたしますので、しばらくのご猶予をお願いいたします」

 大弐は、身仕度の時間をもらって新しい衣服に着替えました。

弥助と東寿が着替えに手伝いましたか震えていました。

  「お待たせしました。では、ご同道いたしましょう、存分になさってください」 

自分から後ろに手をまわした大弐の手に、役人は形ばかりの繩を打ち、

影道伝いに役所に連れていったといわれています。









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最終更新日  2021年04月23日 19時14分41秒
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