2297767 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2019年04月30日
XML
元禄五年(1692)著。 素堂 五十歳。




 我友芭蕉の翁、月にふけりて、いつとはわかぬものから、ことに秋を待わたりて、求めなし。あるときは敦賀の津にありて、越の海にさまよひ、其さきの秋は、石山の高根にしはし庵をむすひて、琵琶湖の月を詠し、二とせ三とせをへたてて、此郷の秋と共にあふならし。文月のはしめは、蚊のふせきも静ならす、玉祭頃はこれにかゝつらひ、在明のころ下絃のころも、雨のさわりのみにして、初秋は暮ぬ。なかの秋にいたりて、はつ月のはつかなる日より、夜毎に文月のおもひをなし、くもりみはれみ、扉をおほうことまれ也。我庵ちかきわたりなれは、月にふたり隠者の市をなさんと、みつから申つることくさも古めきて、入くる人々にも、句をすゝむることになりぬ。むかしより隠の實ありて、名の世にあはるゝこと、月のこゝろなるへし。我身はくもれと、すてられし西行たに、曇りもはてす、苔のころもよかはきたにせよと、かくれまします遍昭も、かくれはてす。人のよふにまかせて、僧正とあふかれたまふも、なほ風流のためしならすや。此翁のかくれ家も、かならす隣ありと、名もまたよふにまかせらるへし。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年04月23日 05時02分39秒
コメント(0) | コメントを書く
[山口素堂・松尾芭蕉資料室] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

山口素堂

山口素堂

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

9/28(土)メンテナ… 楽天ブログスタッフさん

コメント新着

 三条実美氏の画像について@ Re:古写真 三条実美 中岡慎太郎(04/21) はじめまして。 突然の連絡失礼いたします…
 北巨摩郡に歴史に残されていない幕府拝領領地だった寺跡があるようです@ Re:山梨県郷土史年表 慶応三年(1867)(12/27) 最近旧熱美村の石碑に市誌に残さず石碑を…
 芳賀啓@ Re:芭蕉庵と江戸の町 鈴木理生氏著(12/11) 鈴木理生氏が書いたものは大方読んできま…
 ガーゴイル@ どこのドイツ あけぼの見たし青田原は黒水の青田原であ…
 多田裕計@ Re:柴又帝釈天(09/26) 多田裕計 貝本宣広

フリーページ

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.
X