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2019年05月12日
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カテゴリ:山口素堂資料室

 素堂66才 宝永四年(1707)『風の上』雷堂百里編。

 

 嵐雪追善集」

 

 「嵐雪を悼む辞」

 

 嵐雪子は芭蕉の翁とひとしく、予が市中に住みし頃より逢なれて、凡そみそちあまりの奮知音也。

芭蕉翁みまかりて何となく遠さかりけるに、いつれの年か、重陽のあしたになりて、

 

  かくれ家やよめなの中に残る月

 

 と詠せしを、今にわすれす、其の後洛陽に遊ひしころ、

大津の浦四の宮にて本間左兵衛(丹野亭)勧進能の沙汰を聞てまかりけるに、

嵐子も彼浦にありて、山本氏の別業にて、

両三日かたらひそれより高観音にうそぶき、からさきにさまよひ、

八町の札の辻にて、たもとをわかちしより、面会せず。

指を屈して数ふれば早七とせに及べり。其もとおもかけ今日にあるはことし。

近き頃は禅味を甘なひ、ひたすら佛の道にそみて終焉にも心たかはすとききて、

頼もしく覚え侍る。又蕉翁の宗祇法師の

「さらに時雨のやとり哉」

といへる句を行脚の笠にいだきてついに時雨の比に終りぬ。

嵐子もその願ひありけるにや。時雨のころのたかはねも、又々あはれならすや。

 

   かつしかの隠士  素堂 書






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最終更新日  2021年04月18日 14時22分20秒
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