2298624 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2019年05月13日
XML
カテゴリ:古代史料

○古代の馬具の説明    

 

若林勝邦氏著

 

我国の代の馬具は多く勾玉、管玉、齋公瓦の種類と共に古墳より発見せられ、幸にも鍍金せる部分又は銭製の品々朽敗せずして、今日見るを得るが故に未だこれを書籍に載せず絵巻にも見えざる馬具いと夥し、其の現品の概略をいはんに、

 (鐙)

 鐙は皆輪鐙にして銭製なり、其形状は筑後国人形原の石馬、並に武蔵国中篠村の埴輪土馬に存せる輪證の形状ご現品と一致せる事は、此等の取調に従事するものゝ使用時代を考えるに特に證左とする所なり、此埴輪土馬は東京帝室博物館に陳列せられ多くの人の知る所、本文中屡引用せんご欲するを以てこゝに記す。

さて銭製の輪鐙は只足をかくる部分を横に二線に割りたるあり、又此の部分を少しく後世の舌鐙の如く突出せしめ、小なる(あな)數個を四角に穿てり

(轡) 

轡は古代馬具の中に於いて余輩の其種類の最多きに驚けり、尤美にして製作の精巧なるは

(一)泣江国榛原郡初倉村牧の原よりの発見品にして略図は左の如し、其全体鍍金製にて精巧の模様を存す、其製作の丁寧なるは鏡板の部分三重にして裏面は鉄にて覆う、鏡板の枝形なるは、上野国緑野郡白石村より發見せられたり、また、

(二)鏡板の車形なるは丹波国南桑田郡鹿谷村の古墳より發見せられしもの略図は左の如黒し小菊形の鍍金あり美麗なり・叉部鏡板の蝙蝠形なるは肥後国玉名郡江田村の古墳より發見せられしもの製作精巧なり、又、

(三)に鏡板の乙字形なるは丹波図南桑田郡鹿谷村の古墳より發見せしもの。武蔵国()(ぶすま)(ぐん)畠山村發見の埴輪土馬に同一の轡の形を附す、小鈴は此現品の如く附き居らず模様もなし、た、

(六)

鏡板の放散線の存するもの裏面は鐵にて覆う、また前に記せる中條村の埴輪土馬に存せる轡は周圍に小鈴を附けたり、現品中鏡板の圓にして鈴の附きたる(くつわ)は未だ見ず要するに其種類は鏡板の形状によりて分て凡そ六種す、現品は多く東京帝室博物館に陳列せられたり

 (鐸) 

鐸も中條村土馬に附けたり、同一の現品は我国駿河、下総、上野、備前の各地より我見す、朝鮮より同形の鐸を馬鈴と共に發見せられたり、

 (鈴) 

鈴は木葉形の金属具の周圍に五個を附けたると、単に大鈴のみ発見せられたるあり、その數は五個あるを正しごすべきが如し、下野国内郡豐郷村の古墳より発見せられたるが如き一例なり、異例なるは小鈴七個附けたるもあり

 (雲珠) 

雲珠の部分ご見ゆるもの是また各地より發見せらる大小ありと雖も形状は皆一定す、

 (鞍) 

鞍の一部分は肥後国玉名郡江田村より発見せられたり、武蔵国畠山村我見の埴輪土馬の鞍の前後と同じなるを見れば時代に於て相一致せるを見るなり、然れども余輩は此等の種類を以て満足せず、尚進んで数多の種類を知らん事をを欲す会員諸君の博識なる幸に同好の愛を割て提携の勞を探られんことを希望する。













お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年04月18日 13時58分54秒
コメント(0) | コメントを書く
[古代史料] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

山口素堂

山口素堂

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

9/28(土)メンテナ… 楽天ブログスタッフさん

コメント新着

 三条実美氏の画像について@ Re:古写真 三条実美 中岡慎太郎(04/21) はじめまして。 突然の連絡失礼いたします…
 北巨摩郡に歴史に残されていない幕府拝領領地だった寺跡があるようです@ Re:山梨県郷土史年表 慶応三年(1867)(12/27) 最近旧熱美村の石碑に市誌に残さず石碑を…
 芳賀啓@ Re:芭蕉庵と江戸の町 鈴木理生氏著(12/11) 鈴木理生氏が書いたものは大方読んできま…
 ガーゴイル@ どこのドイツ あけぼの見たし青田原は黒水の青田原であ…
 多田裕計@ Re:柴又帝釈天(09/26) 多田裕計 貝本宣広

フリーページ

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.
X