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2019年05月22日
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《清流イメージの保全》(「白州町誌」平成14年、この20年より)



尾白川、釜無川源流をはじめとする河川水質データを分析すると、町が自慢する清澄な名水の里の姿がみえてくる。

白州町は平成2(1990)年度から、町内河川水質調査を実施している。町内10地点で、水素イオン濃度(PH)、導電率、外物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、浮

遊物質量(SS)、溶存酸素量(DO)、大腸菌群数、全窒素、全リン、アンモニア性窒素、塩素イオン、陰イオン界面活性剤の12項目を計測。それぞれ環境基準と照らし合わせながら、河川水質保全の目安とすることを目指している。

シンボルである尾白川の水質は、尾白橋下で例年2回行っている調査により、ほぼ現況が把握できる。

平成14年度の場合、

平均値でPH7・6、

導電率 4,2、

BOD 0,5未満、

COD 2,0、SS1未満、

DO  9,7、大腸菌群数730、

全窒素 0,27、

全リン 0,005未満、

アンモニア性窒素 0,05未満、

塩素イオン 0,6、

陰イオン界面活性剤 0,02未満

という数字だった。

大腸菌群数以外のPH,BOD,SS,DOにおいて環境基準準のトップクラスであるAA類型を満たし、非常に良好な水質を示した。緯年的にも特に数伸上昇した項目もなく、このまま水質を縦持することが望まれる地点だった。

釜無川源流の水質を表す釜無川橋下の調査では、

平成14年度の場合、8月計測値で

PH 8,2、導電率15,1、

BOD 0,5未満、

COD 0,5、SS 1未満、

DO 8,6、

大腸菌群数、1300、

全窒素 0,34、

全リン 0,008、

アンモニア性窒素0,05未満、

塩素イオン0,4、

陰イオン界面活性剤0,02未満

という数字だった。

こちらも尾白川同様に、大腸菌群敬以外のPH,BOD,SS,DOにおいて環境堪準のAA類型を満たし、非常に良好な水質を示した。

平成十四年度の調査を全体的に見ると、本流の釜無川6地点、支流の神宮川2地点、尾白川1地点、小深沢川1地点の合計10地点を計測したなかで、2地点を除いて環境基準AA類型を満たした。

一方、大腸菌群数は全ての地点で、環境基準のAA類型から外れてしまうという残念な結末ではあったが、「公共用水域の類型にあてはめ河川の適合率や、他の河川との比較からして、特に問題はない」という調差結果がまとまっている。

一方で、小沽雑排水などが混ざり込んで汚濁が進んでいる可能性や、前年に比べて数他の変動が大きな地点もあり、直接川に入る飲料水や産業用の地下水の保全とは別な側面で、清浄な水環境イメージを保全するためには、なお一層の流域水質保全への努力が求められている。



《おいしい飲み水》(「白州町誌」平成14年、この20年より)



口にはいることになる実質的な意味での「おいしい水」は、町常化された五つの簡易水道によって確保されている。水源は豊富な地下水を井戸でくみ上げており、年間50万トン余りが取水されている。

町内全域でみると、計画給水人口は5660人、平成15年度当初の給水人口は4106人。普及率は90,9%となっている。

大武川簡易水道は湧水水源一カ所と伏流水水源三カ所、

教来石簡易水道は深井戸水源一カ所、

鳥原簡易水道(旧荒田・松原簡易水道を含む)は深井戸水源一カ所、

菅原簡易水道は湧水水源一カ所と深井戸水源四カ所、

駒城簡易水道は深井戸水源ニカ所、浅井戸水源一カ所からそれぞれ取水。

合計十四水源によってまかなわれている。

これらの水は配水池八カ所、着水井一カ所によって地域へと給水されている。各配水池ごとに衛生的に水質が管理され、「おいしくて安全な水」の供給に心が配られている。



《地下水の保全》(「白州町誌」平成14年、この20年より)



「水の町白州」には、全国でも先進的な水資源保全の取り組みとして、行政と水関連企業が手を携えた「白州町地下水保全・利用対策協議会」があり、地下水の適正利川と水質保全を図っている。同協議会の発足は、平成105月28日。ミネラルウオーターの生産量が日本一の山梨県にあって、白州には大手メーカーのミネラルウオーター工場が立地し、良質な地下水を採取している。このため、年問10万トン以上の地下水を採取しているサントリー白州蒸溜所、熊本県果実連、シャトレーゼ、白州ヘルス飲料、泉食品の企業五杜と、町常簡易水道を管理している白州町とが会員になって、将来にわたって安定的に水資源が利用できるよう活動をすることにした。

これまでに、同町鳥原など四カ所に地下水位の定点観測用井戸を設置。長期的な地下水位データの収集をしている。また、平成11年度からニカ年計画で、水源滴養状況を把握するための水元調査を行った。地下水を涵養する森林や水田の而積、地下水の流れ、河川の流量、雨量などを総合的に判断し、地下にどのくらいの水が浸透しているのか、どのくらいの水が保有されているのかなどを調べた。この結果、町内に供給される地下水は日量で約11万トンになると推測されている。同協議会に加盟する水関連企業と、町営水道を合わせた年間取水量は、年間350~400万トン規模といわれており、水資源が数量的に圧迫されるほどのデータではない。しかし、地下水位の変化は時期によって変動を示しており、実際にどのような影響を及ぼすのかは未知数な部分もある。同協議会は、各種の調企データを今後とも蓄積をしながら、生活用水の確保と地域産業の健全な発展を目指している。

こうした大規模な地下水保全の試みのほか、昭和63年に「白州町地下水の保護及び採取適正化に関する要綱」が制定されており、別荘などの小槻模開発にともなう小口の井戸ボーリングにも対応している。過剰な地下水採取に走ることなく、白州の財産である水を守る営みを継続していくことが、将来にわたって名水の里であり続けるためのカギとなるのである





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最終更新日  2021年04月17日 14時53分04秒
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