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山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

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2019年05月23日
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狂歌百人一首 太田南畝集 その一(1~50)

 

1.           天智天皇

正 秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ 

狂 秋の田のかりほの庵の歌がるたとりそこなって雪はふりつつ

2.           持統天皇

正 春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山

狂 いかほどの洗濯なればかぐ山で衣ほすてふ持統天皇

3.           柿本人丸

正 あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む

狂 あし引の山鳥のをのしだりがほ人丸ばかり歌よみでなし   

4.           山迢赤人

正 田子の浦にち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ

狂 白妙のふじの御詠(ぎょえい)で赤人の鼻の高嶺に雪は降りつつ  

5.           猿丸大夫

正 奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の声きく時ぞ秋は悲しき

狂 嗚く鹿の聲聞くたびに涙ぐみ猿文大夫いかい愁たん

6.           中納言家持

正 かささぎの渡せる橋におく霜の白きをみれば夜ぞふけにける

狂 そのままに置くしもの句をかり橋の白きをみれば衰ぞ更にける

7.           阿部仲麿

正 天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも  

狂 仲麿はいかいはぶしの達者もの三笠の山にいでし月かも   

8.           喜撰法師

正 わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり

狂 わが奄はみやこの辰巳午ひつじ申酉戌亥子丑寅う治  

9.           小野小町

正 花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふる眺めせしまに

狂 衣通(そとほり)の歌の流義におのづからうつりにけりな女どし故

10.         蝉丸

正 これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関  

狂 四(よつ)の緒のことをばいはず蝉丸のお歌の中にもの字四ところ    

11.         参議篁(たかむら)

正 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣舟

狂 こゝまでは漕出けれどことづてを一寸(ちょっと)たのみたい海士の釣舟    

12.         僧正逼昭

正 天つ風雲の通ひ路吹き閉ぢよをとめの姿しばしとどめむ

狂 吹きとぢよ少女(おとめ)の姿暫しとはまだ未練なるむねさだのぬし

13.         陽成院

正 筑波嶺の峰より落つる男女川恋ぞつもりて淵となりぬる

狂 みなの川みなうそばかりいふ中に慰ぞ積りて淵はげうさん   

14.         河原左大臣

正 陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに

狂 陸奥のしのぶもぢもぢわが事をわれならなくになどと紛らす

15.         光孝天皇

正 君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ

狂 光孝と何かいふらん君がため若菜を摘むは忠義(ちゅうぎ)天皇    

16.         中納言行平

正 たち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む   

狂 行平は狐のまねをしられけりまつとし聞けば今帰りこん    

17.         在原業平朝臣

正 ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは

狂 千早振御代も聞かぬ御趣向をよくよみえたり在五(ざいご)中将

18.         藤原敏行朝臣

正 住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人めよくらむ  

狂 とし行といふはもつとも住の江の岸による波顔による波    

19.         伊勢

正 難波潟みじかき芦のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや

狂 難波がたみじかき芦を伊勢ならばやただ浜荻と詠みそうなもの

20.         元良親王

正 わびぬれば今はた同じ難波なるみをつくしても逢はむとぞ思ふ  

狂 詫ぬれば鯉のかはりによき鮒のみを造りても飲まんとぞ思ふ    

21.         素性法師

正 今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな

狂 今来んといひし計りに出でこぬは素性法師の弟子か師匠か    

22.         文星康秀

正 吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ

狂 喰ふからに汗のお袖の萎(しぼ)るればむベ豆(まめ)(がゆ)をあつしといふらん    

23.         大江千里

正 月見ればちぢにものこそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど

狂 月みれば千々に芋こそ喰たけれ我身一人のすきにはあらねど    

24.         菅家

正 このたびはぬさもとりあへず手向山紅葉の錦神のまにまに

狂 このたびはぬさも取敢ず手向山まだその上に賽銭もなし    

25.         三條右大臣

正 名にしおはば逢坂山のさねかづら人にしられでくるよしもがな

狂 三條の右大臣なら前に居る河原の左大臣はなじみか    

26.         貞信公

正 小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびの ゆき待たなむ

狂 小貪山みねのもみぢ葉心あらば貞信公に御返歌かせん

27.         中納言兼輔

正 みかの原わきて流るる泉川いつ見きとてか恋しかるらむ  

狂 泉河いづみきとてかかね輔(すけ)がとなりの娘戀しかるらん    

28.         源宗于朝臣

正 山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば

狂 山里は冬ぞさびしさまさりけるやはり市中がにぎやかでよい    

29.         凡河内躬但

正 心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花

狂 心あてに吸はばや吸はん初しもの昆布まどはせる塩だしの汁    

30.         壬生忠峯

正 有明のつれなく見えし別れよりあかつきばかり憂きものはなし

狂 在明のつれなくみえしわかれより暁ばかりおこるしやくかな    

31.         坂上是則

正 朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪

狂 是則がまだ目のさめぬ朝ぼけに在明の月とみたるしら雪    

32.         春道列樹

正 山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり

狂 質蔵にかけし赤地のむしぼしはながれもあへぬ紅葉なりけり    

33.         紀友則

正 ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ

狂 ひさかたの光のどけき宴の日に紀の友則がひるね一時

34.         藤原與風

正 誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに

狂 誰をかも仲人にして高砂の尉(じょう)と姥とのなかよかるらん    

35.         紀貫之

正 人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける

狂 人はいざどこともしらす貴之がつらつらつらとよみし故郷は    

36.         清原深養父

正 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ

狂 夏の夜は未だ宵ながらよく寝ればげに鱶(ふか)やぶと名をやいふらん    

37.         文屋朝康

正 白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける

狂 かぜの吹く秋の野のみか瀧壹もつらぬきとめぬ玉ぞちりける    

38.         右近

正 忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな 

狂 忘らるゝ身をば思はす誓ひてし人のいのちの世話ばかりする    

39.         参議等

正 浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき

狂 徳利はよこにこけしに豆腐汁あまりでなどか酒のこひしき    

40.         平兼盛

正 しのぶれど色に出でにけりわが恋は物や思ふと人の問ふまで

狂 留むれどよそに出にけり小息子はうちに居るかと人の問ふ迄

41.         壬生出見

正 恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか

狂 召せといふわか菜の聲は立にけり人知れずして春になりしか    

42.         清原元輔

正 契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは

狂 清はらの元輔といふ御名にてお歌は末の松山といふ    

43.         中納言敦忠

正 逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔は物を思はざりけり

狂 またしてもじゝとばゝとのくりごとに昔は物を思はざりけり    

44.         中納言朝忠

正 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし

狂 すく人の絶えてしなくば真桑爪皮をもみをもかぶらざらまし    

45.         謙徳公

正 あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな

狂 初松魚(はつがつを)くふべき客は不參にてみのいたづらになりぬべきかな    

46.         曾禰好忠

正 由良のとを渡る舟人かぢを絶えゆくへも知らぬ恋の道かな 

狂 由良のとを渡る舟人菓子をたべお茶のかはりに塩水を飲む    

47.         恵慶法師

正 八重葎しげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり

狂 八重むぐら茂れる宿のさびしさに恵慶法師のあくび百遍(ひゃくべん)

48.         源重之

正 風をいたみ岩うつ波のおのれのみくだけて物を思ふころかな

狂 花見んともちしささえをぶちおとし砕けてものを思ふ頃かな    

49.         大中臣能宣朝臣

正 みかきもり衛士のたく火の夜は燃え昼は消えつつ物をこそ思へ 

狂 御かき守衛士(えじ)のこく屁によし宜(のぶ)か鼻かゝヘつゝ物をこそ思へ    

50.         藤臣義孝

正 君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな

狂 めいていにすゝる海鼠腸昧(このわた)よくて長くもがなと思ひけるかな 





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最終更新日  2021年04月17日 14時33分57秒
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