カテゴリ:山口素堂資料室
諸家発句抄 山口 素堂 やまぐち そどう
甲斐の生まれ。名は信章。二十歳のころ江戸へ出、その後京都にも遊学か。 芭蕉の親友。享保元年(一七二八)没(75歳)。
江戸山口氏信章として初出する『伊勢踊』(寛文七年)の五句のうちの一。 花の座にまじるはうしや風の神 (伊勢踊) 元禄二半三月、芭蕉奥羽行脚の餞別吟。 梅の風俳諧国にさかむなり (江戸両吟集) 〔註〕芭蕉との二百韻の第二の巻の立句。 かまくらにて 目には青葉山郭公はつ鰹 (江戸新道) 歳 暮 市に人てしばし心を師走哉 (貞享三年 三物集) 雨の蛙声高になるも哀也 (蛙合) 春もは山吹しろく苣苦し (続虚栗) 綿の花たまたま蘭に似るかな (あら野) 匡より帰る われをつれて我影帰る月夜かな (其袋) すみ所を宮古にと聞えければ 我あらましも嵯峨のあたりに侍れど、 かの池に蓮のなき事をうらみ申す いづれゆかん蓮の実持て広沢へ (餞別五百韻) 送芭蕉翁 西上人の其きさらぎは法けづきたれば我願にあらず。 ねがはくは花の陰より松の陰、 春はいつの春にても、我とともなはむ時 松嶋の桧陰にふたり春死む (己が光) 人松や木葉かた寄ル風の道 (翁 草) とくとくの水まねかねば来ませ初茶湯 (とくとくの句合)
〔註〕『とくとくの句合』に 「小野川洛陽に 住所求とて登りける比、予も又其心ざしなきにしもあらず」 と前言し「蕗の実よ とても飛なら広沢へ」。 素堂は蓮を愛し、その句も多い。
忍の岡のふもとへ家をうつしける比 塔高し梢の秋のあらしより (とくとくの句合) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年04月16日 20時01分20秒
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