北杜市の先人 長坂町 跡部豊太郎
従七位勲七等 跡部豊太郎氏 『昭和山梨自治大観』
昭和七年十月山梨県より天然記念物として指定された名木、数百星霜密漁の銀木犀を其邸内に有する地方の旧家であり聞えたる名門である、家代々里正にして長百姓名主等十数代に亘る、先考亦代々の清左衛門を襲名したが維新後守富と改名し、渋沢区の副戸長、戸長を勤め日野春村戸長に当選、村会議員拳務委員等数次普選し学校新築等に対しては常時の藤村県令より其功績を賞興されたのだ、而して當主豊太郎氏亦夙に徳望あり、明治二十八年
月満期退職、三十八年五月村助役に当選、四十年一月逸見銀行取締役となり、同三十九年村長に当選、大正三年五月満期退職、大正二年村会議員に挙げられ、六年七月再選、大正二年日野春消防組頭に挙げられ、同四年九月日野春郵便局長に任命、爾来今日に及び大に地方逓信文化の薦めに輝かしい功績を奉げている、昭和七年一月十五日通信事業多年の功労により動八等に叙せられ、同十一年十月従七位に経り更に同十三年一月勲七等に昇叙され叉昭和御大禮の際には記念章を賜わった、なお氏は局長たると共に小作調停委員、方面委員として現に活躍され、更に学務委員、学校組合議員、恩賜林組合議員、北巨摩郡農会主催立稲品評審査委員など要職を歴任し自治公共産業方面に亘り、大に尽瘁した人で徳望一郷に遍く地方の長老として尊信さる、なお長男保氏は昭和七年県立峡北農業校に教諭となり、十一年三月離任後、父君を扶けて局の事務に精励している。
三条実美氏の画像について@