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2019年06月09日
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カテゴリ:甲斐駒ケ岳資料室

韮崎下車

駒ケ岳・仙丈岳・自嶺縦走-柳澤登山口

   『日本南アルプスと自然界奥付』

昭和六年発行 流石英治氏著 甲府市朗月堂発行

一部加筆

 

韮崎に下車して台ケ原行の自動車に塔ずる、リユクサックが嵩張(かさば)って困るので、車側に結びつけ 

山の情調はアルペンストックの一杷と背嚢の(うづ)高さ身にせまる嵐気に遺憾なく表れて来る。

 七里岩の左岸に屹立する集塊岩は、釜無川に浸蝕された破面を更に雨水にて彫刻されて凸凹甚だしき不平坦の面々に大きな洞窟や、不規則な孔が無数にあいている。風化作用と浸蝕左様が長年月作用して造成した台地の模式的のむのであろう。硬軟不同の面がかくも不規則、不平坦に粗慥(そぞう)(肌理が粗い)な面を見せてる光景は釜無の清流と、それにせかれて固くった花崗岩や、硬砂岩の天然に布置の妙を極め対比して自然の傑作誇称するに足るものがある。川の左岸共に嶮しい断崖は地質構造に興味ある問題である。この現象は日野春駅の下に中央水の小武川の工事をして場所が最も明瞭である(俗称、女落とし岩)

また、左岸には「大がれ」と、冨里村あたりで呼ぶ岩石の崩壊が見える。これは明治四十年の大水当時に大崩壊をしたものであるそうだ。此「大がれ」は古くから「御坂凝灰岩と云う青白く腐ったような石がな石が構成の主なる岩石である。それ故此の河原にはこんな岩石がザラに見受けられる。釜無川の河段丘は桓式的に三段に発育している。最底の沖積平原を川に沿って自動車は登って行く。不平坦の道路故、上下運動が随分激しい。

 

  菅原村(武川村牧ノ原?)

 小武川を越せば菅原は目の前に見える。菅原で自動車から下りて荷物を整理していると、案内に頼んでおいた水石寅夫君がやって来られた。「春さん」で通る南アルプスの案内、第一人者、水石春吉氏の長男で、十六歳の時から父に連れられて雨アルプスを跋渉(ばっしょう)山野を越え、川をわたり、各地を歩き回ること。)し、今はもう立派な岳父の跡が引きつげるのである。

 富里小学校に立寄って暫時休憩する。中山校長さん、野田先生等が一同打ち揃って駒城登山口の宣伝、紹介に熱心に努力されているお話を聞く。

 

武川村柳沢

 冨里校は高距四六〇m、まだまだ俗臭味たっぷりで、温度も華氏八十四度(摂氏27℃)である。午前十時に柳沢部落の牛田由衛氏宅に到着して、一行は登山の準備備をする。

 柳沢は縁故節で名高く南アルプスの登山口としては最も早くより開けた場所の一つである。寅夫君の叔父は、かの「ウエストン氏」を「地蔵佛(じぞうほとけ)」に室内し最初の人である。それ故此部落には「谷さん」を筆頭に、山に経験のある案内人が多いから初めての登山者は此で案内を傭う事便利であう。日野春駅より車すれば一時足らで来る事が出来る。本年の登山では明治大学山岳部一行運輸局の筧正太郎氏及甲斐駒山岳会員、若尾金造氏等が先鞭を人々であった。午後二時過に出、中山う地質学者に興味ある問題を多く提供する舊第三系を右に見()(とろ)(がわ)大武川(おおむかわ)渡って駒城小岳校(白州町横手)に立寄る。此の学校の職員の役場吏員同は先武川渓谷の仙水行を探勝し、前人未踏瀑布渓谷数多く発見し、この勝を広く宣伝しようした矢先であつ。 

 






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最終更新日  2021年04月14日 14時39分39秒
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