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2019年06月12日
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カテゴリ:日本と戦争

 日露和親条約

 ロシアと日本国と、今より後懇切にして無事ならん事を欲して、条約を定めんがため、ロシアケイヅル(皇帝)は、全権アヂュダソト、ゼネラール、フィ-ス、アドミラ-ル、エフィミュス、プチャーチンを差越し、日本大君(将軍)は重臣、筒井肥前守・川路左衛門尉に任じて、左の条々を定む。

 

第一条 

今より後両国末永く真実懇にして、条其所領に於て、互に保護し、人命は勿論什物に於ても、損害なかるべし。

第二条 

今より後、日本国とロシア国との境、エトロフ島と、ウルップ島との間にあるべし。

エトロフ全島は日本に属し、

ウルップ全島、夫より北の方クリル諸島は、ロシアに属す。

カラフト島に至りては、目本国とロシアの間に於て、異を分かず、是迄仕来之通たるべし。

第三条 

日本政府はロシア船のため、箱館、下田、長崎の三港を開く。

今より後、ロシア船難破の修理を加へ、薪水食料欠乏の品を給し、

石炭ある地に於ては、又これを渡し、金銀銭を以て報ひ、

若金銀乏し今時は、品物にて償ふべし。

ロシアの船難破にあらざれば、此の港の外、決して日本他港に至る事なし。

尤難破船につき、諸費あらば、右三港の内にて、是を價ふべし。

第四条 

難船漂民は両国互に扶助を加へ、漂民はゆるしたる港に送るべし。

尤滞在中是を待つ事緩優なりといへども、国の正法を守るべし。

第五条 

ロシア船下田、箱館へ渡来の時、金銀品物を持ちて、入用の品物を弁ずることを許す。

第六条 

若止む事を得ざる事ある時は、ロシア政府より、箱館、下田の内一港に官吏を差置くべし。

第七条

 若評定を待つ事あらば、日本政府これを熟考し取計ふべし。

第八条 

ロシア人の日本国にある、日本人のロシア国にある、

是を待つ事緩優にして禁錮することなし。

然れども若法を犯すものあらば、是を取押へ処置するに各其本国の法度を以ですべし。

第九条 

両国近隣の政を以て、日本にて向後他国へ免す処の語幹は、同時にロシア入に差免すべし。

 

右条約

 ロシアケイヅルと日本大君と、又は別紙に記すごとく、取極め、今より九ケ月の後に至りて、都合次第、下田に於て取替すべし。是によりて両国の全権互に名判致し、条約中の事件、是を守り双方聯違反あることなし。

   安政元年十二月計一目

                  筒井肥前守(花押)

                  川路左衛門尉(花押)

             エフィミュス・プチャーチン手記

 

調印、が終わると、プチャーチンは大いに満足し、日本国に感謝すると謝意を述べた。

またカラフトの一件はまず心配なかろう、と断言した。

さらに、ディアナ号の遭難時の救済と新艦建造に対する日本政府の援助については、とくに老中と川路ら応接掛に感謝状を贈った。

 こうした日露修好通商条約にもかかわらず、すでに語ったようにロシア軍艦の対馬占拠という事件、が起きた。

 また、プチャーチンがカラフトの国境問題の未決について、心配ない、と断言したが、国境問題は以後日露の間でしばしば問題となった。

 何回か画定しよう、というところまでいったが、のちのちまでついに未決で終わった。そして、ついに明治新政府の大きな課題として持ちあがるのである。

 後、

 「ロシアはカラフト全島を領有する」、と主張、日本は不承知。

文久元年にイグナチェフは、「四八度線で手を打ちましょう」と主張、幕府の目付京極が反対し、妥結しなかった。

このあと日本の幕末の大混乱、口シアは樺太を占拠。日本は五〇度線を主張し、北方のカラフトまで政治の力が及ばず、実質上、カラフトはすべてロシア頒になってしまった。






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最終更新日  2021年04月14日 14時17分08秒
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