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山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

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2019年06月29日
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----中央線鉄道唱歌---- =大和田竹起作=

 

汽笛一声わが汽車は早や離れたり飯田町

牛込市ケ谷堀の瑞 四谷出ずれば信濃町

 

千駄ケ谷代々木新宿 中仙道は前を行き

南品川東海道 北は赤羽根奥羽線

 

大久保つつじの花盛り柏木中野に兵営を

見るや荻窪吉祥寺境を過ぎれば国分寺

 

立川こえて多摩川や日野に豊田に八王子

織物業で名も高く 横浜線の起点なり

 

浅川行けば小仏ぞ滝沢をば早や渡り

与瀬上野原鳥沢や谷間に懸けしは猿橋か

 

甲斐絹の産地で知られたる郡内地方はこの辺り

山の中なる大月に 水力電気の事業あり

 

ここは名に負う笹子嶺トンネル一万五千尺

からで越えしはととせ前 居ながら通る気楽さよ

 

初鹿野塩山向岳寺温泉効き目いと多く

差出の磯の日下部や蛍で名高い石和町

 

次は甲府の城の跡山岳四面に重畳し

甲州一の大都会山梨県庁ここにあり

 

竜王韮崎日野春は八ケ岳をば右に見て

小淵沢より富士見台海抜三千百余尺

 

靑柳茅野に上諏訪や左に諏前川冬ならば

君もスケート試みん 右は温泉諏訪神社

 

下諏訪岡谷は製糸業煙突繁きは国の富

天竜川は此処に出で遠州灘に注ぎ入る

 

岡谷辰野を通りすぎ伊那谷渡りで塩尻は

渺たる平野にステーション篠の井線の分岐点

 

         (以上で中央車線終り、内線は略す)

 

待ちに待ちたる中央の鉄路はここに全通し

国運ますます隆盛に栄ゆる御代こそ目出たけれ

 

と、終点名古屋でオワリ(尾張)をなごやかに結んでいます。

 

 

----新中央線 鉄道削歌----与謝野鉄幹昨 毎目新聞企画

 

往来織りなす輦轂(れんこく)の都大路をあとにして

今ぞいでたつ飯田町 中央線の旅ごろも

 

窓より近し九段坂画才を祀る靖国杜

松の縁や堀の水 映ゆるは近衛の石の垣

 

いらかは続く神楽坂 春は花散る外壕や

赤坂御所のトンネルを出ずれば神宮競技場

 

かしこし明治神宮の代々木の森は神さびつ

行けば新宿吉祥寺 みどりは深し井の頭

 

武蔵ケ原の杉木立 文化の住居ここかしこ

かけるは鳥か青空に響くプロペラ音高し

 

桜に知られし小金井をすぎて立川飛行場

梅の吉野や大菩薩 御岳も訪えよ電車にて

 

ここは絹織る八王子横浜線の分岐点

大正天皇陵(みささぎ)は清き流れの浅川に

 

秋の紅葉の高尾山展望広し十二州

小仏の峰すぎ行けば谷はせまりて桂川

 

与瀬上野原鳥沢やくぐるトンネル四つ五つ

いずる右手に猿橋のかかれるそばや谷深し

 

山の斜面に鉄管のならぶは水力発電所

峰こえ谷こえ鉄塔の電路は続く都まで

 

大月駅に降りたてば甲斐絹に名ある谷村町

富士へ登山の吉田口電車は走る一すじに

 

富士のすそのの五潮めぐり河口山中また西湖

青木ケ原の樹海すぎ精進渡れば本栖湖へ

 

初狩すぎでそそり立つ笹子の嶮や今いずこ

長きトンネルいで行けば甲府盆地は目もはるか

 

武田亡びて四百年 天目山は雲暗く

弔うものは松の風笛吹川の水の音

 

葡萄に知られし勝沼や行けば酒折早や甲府

甲斐の中心商業地名あるは水晶繭ぶどう

 

ここより北へ道三里昇仙峡は名も高く

南へ下れば鰍沢電車は通う駿河まで

 

武田三代栄えたるつつじケ崎の跡とえば

城とも見えぬ土濠は深き武略のあと語る

 

竜王すぎて韮崎に残るは古し新府城

のぼる日野春小淵沢夏は涼しき富士見駅

 

北に峻峰八ケ岳 南アルプス駒ケ岳

ふり返り見る天ぎわに笑むははしだの芙蓉峰

 

茅野を下れば諏訪の朝出湯は多し風涼し

冬はスケート一面に張りてきびしき厚氷

 

湖水の水の落日の岡谷は製糸に知られたる

流れてはやき天竜のはざまは長しいく十里

 

辰野をすぎでトンネルを出ずれば塩尻停車場

篠井線の分岐点乗り替え行けば松本市

 

この地は深志の旧城下今なを残る天主閣

市の産物は繭絹糸 浅間温泉 ほど近し

 

窓より見ゆる山脈は北アルプスの雪の峰

上ふところの上高地今は世界の神秘峡

 

鎗や穂高の雪とけて流るる水はあずさ川

立つは白樺岩魚住か大正池畔日もかすか

 

明科すぎで冠着や田毎の月に知られたる

奪捨て行けば篠井は 信越線の乗替場

 

再びかえる塩尻に奈良井の谷を上り行く

鳥居くぐれば木曽の谷 峰には雲のかげしげし

 

藪原名のもとお六櫛 朝日将軍義仲の

城趾に近き宮の越入りて福島関の跡

 

雪のみ山の御岳は木曽の峡 より見えかくれ

山の彼方に上り行く白衣の行者数多し

 

上松すぎで裏島の伝説残る臨泉寺

寝覚めの床や水石の技巧は神のたわむれか

 

峰にかかれる小野の滝しずもる紅葉落合の

逢えば別るる中津川恵那峡近し舟下り

 

落つる釜上やとき川の谷は錦の湖渓山

陶器に聞こえし多治見すぎさぎりのかかる常光寺

 

勝川すぎて大曽祢や濃尾平野にいで見れば

いらかは並ぶ中京の市川は一目窓の下

 

東海道と関西の鉄路は白し落日の

み空に高く輝くは金の鯱(しゃちほこ)名古屋城

 

   (最後に小沢・敏識両氏に感謝しつつ終ります。)






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最終更新日  2021年04月13日 05時11分53秒
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