カテゴリ:山口素堂・松尾芭蕉資料室
延宝六年春 さぞな浄瑠璃小哥は爰の花 信章 霞とゝもに道化人形 信徳 青いつら笑ふ山より春みえて 桃青 かはらけの瀧のめばのむほどに 章 聲がたつ嵐に波の遊び舟 徳 鴈よ千鳥よ阿房友だち 青 五間口さびしき月に其名ヲうる 章 松を證據に禮金の秋 徳 手かけもの相取のやうに覺えたり 青 思ひのきづなしめころしして 章 木綿うりある夕暮の事なるに 徳 門ほとくとたゝく書出し 青 鎌田殿進退むきをたのまれて 章 二人の若の浪人小姓 徳 竹馬にちぎれたりとも此具足 青 つゞけやつゞけ紙はりの母衣 章 ところてん水のさかまく處をば 徳 波せき入れて大釜の淵 青 落瀧津地獄の底へさかさまに 章 鐡杖鯉のほねを砕くか 徳 酒の月後妻打の御振舞 青 隣の内儀相客の露 章 眉を取袖ふさがする花芒 徳 野風も今は世帯持なり 青 鍋の尻入江の汐に氣を付て 章 のつぺいうしと鴨の鳴らむ 徳 山陰に精進落ちて松の聲 青 三十三年杉たてる庵 章 開帳や俊成作の本尊かけて 徳 寂蓮法師小僧新發意 青 (以下略) 延宝六年春 物の名も蛸や古郷のいかのぼり 信徳 仰く空は百餘里の春 桃青 峰に雪かねの草鞋解初て 信章 千人力の東風わたる也 徳 熊つかひむかへば月の薄曇り 青 水右衞を笑ふ初かりの聲 章 墨の髭萩の下葉のうつろひて 徳 尾花が袖に鏡かさうか 青 判はんじいかなる風の閑に吹 章 夫は山伏海士のよび聲 徳 一念の鰻となつて七まとひ 青 かたちは鬼の火鉢いたゞく 章 紙ふのり伊勢国より登りけり 徳 神のいがきをこえし壁ぬり 青 縄はしご夜の契りや切つらん 章 流石わかれのちんば引見ゆ 徳 骨うつき忍び笠にて顔かくし 青 立出るよりふまれての聲 章 夕間暮小風呂に流す水の月 徳 木綿さらさの紅葉かたしく 青 花に嵐荒木珍太をあたゝめて 章 胸につかえし霞はれゆく 徳 天津鴈借銭なして帰りけり 青 勘當ゆるす二月中旬 章 釈迦已に跡式譲り給ふらん 徳 八萬諸聖經古手形なり 青 腰張や十万世界のりの聲 章 凡いのちは赤土の露 徳 いつまでか炮碌賣の老の秋 青 ころばぬやうに杖でゆく月 章 (以下略)
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年06月10日 20時12分08秒
コメント(0) | コメントを書く
[山口素堂・松尾芭蕉資料室] カテゴリの最新記事
|
|