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2020年08月23日
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カテゴリ:山梨の歴史資料室

山梨県 なまよみの甲斐

 甲斐の国

 『各駅停車』「全国歴史散歩」

  山梨県 甲斐古文書研究会編

 

甲斐国はその国名の由来の通り、周囲を3000m級の峻険な山岳に囲まれた山国である。そして中央を南北に連なる御坂山塊が、この国を大きく国中と郡内という二つの地方に分けている。甲斐の古い郡名、つまり甲斐四郡でいうと山梨郡、八代郡、巨摩郡が国中地方に属し、都留郡が郡内地方に属する。

 県名となっている「山梨」の語源についての定説はないが、山梨郡に山梨の樹が多かったことに基づくという説と、甲斐国の中心であった山梨郡付近が盆地部分の山の無い平坦な地形であったことから山無しの地、つまり山梨の名が与えられたという説がある。

 甲斐国の歴史を語るとき、人々の胸をわきたたせるような伝説がある。湖水伝説である。それは、遠い太古の時代、甲府盆地は満々と水をたたえた湖で、古代の人々は盆地周辺の山腹や丘陵に住み、舟で往来していたという伝説である。

 この湖水伝説には二つの説話がある。ひとつは蹴裂明神という神が現われて、南方の山をけやぶり、湖水の水を富士川に落としたというもので、もうひとつは養老年間(七一七-七二三)に僧行基が甲斐国に遊行したとき、やはり盆地の南面にあたる鰍沢付近を切り開いて、湖水を富士川に流して盆地の水を取り除いたという伝説である。盆地から周囲に連なる蜂々を眺めるとき、湖水伝説は不思議に夢を運んでくれる。そして、山懐に源を発した水脈が川となって盆地に流れ込み、中心部で合流して富士川となる特異な地形を考えるとき、この湖水伝説は妙に実感として迫ってくる。

 

ところで、古代の甲斐国はいったいどのような姿をしていたのであろうか。

 道路網の整備を中心とした地域開発や圃場整備事業などにともなって、昭和40年代から急激に行なわれるようになった埋蔵文化財の発掘は、しだいに古代の甲斐国の姿を解き明かしつつある。甲斐における古代人の生活は、現在の北巨摩、東八代、東山梨、それに南・北都留郡を中心とした地域で営まれていたと考えられる。

なかでも御坂山塊の前面、東八代郡下の碧根丘陵一帯は先史時代の主要な舞台であった。

 洪積世といわれる先土器時代の存在は、昭和28年、考古学研究家の山本寿々雄氏が、曽根丘陵の米倉山でローム層の中から黒曜石の石器六片を発見したことにより確認された。それを契機に宮谷遺跡(大月市)、天神堂遺跡(南巨摩郡富沢町)、下向山遺跡(東八代郡中道町)などが次々と発掘された。

 縄文時代の遺跡分布は県下全域にわたり、数百ヵ所の遺跡が発見されている。

その中でも、近年、保存問題で揺れた釈迦堂遺跡(東八代郡一宮町)からは早期の大集落が、また、北巨摩郡大泉村の金生遺跡からは晩期の配石遺構が発掘され、全国的な話題を呼んだ。

 弥生時代から古墳時代にかけての遺跡としては、方形周溝墓群や銚子塚や大丸山塚などの大規模な古墳が曽根丘陵上に出現し、古代の豪族たちの生活をうかがわせている。

 律令制時代には正式に甲斐国が設置され、中央から国司が派遣されるようになった。国司が政務を司るところ、つまり、甲斐国府跡については、国府三転説など諸説があって一定しないが、国管(御坂町)、国府(春日居町)、国分(一宮町)のいずれかであったと考えられている。

 






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最終更新日  2020年08月23日 11時17分46秒
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