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2020年09月05日
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カテゴリ:著名人紹介

藤原定家朗詠集  秋二十首

 

けふこそは秋もはつせの山おろしに

涼しく響くかねの昔かな

 

白露にそでも草葉もしをれつゝ

月かけならすあきは来にけり

 

秋といへば夕のけしきひきかへて

まが弓張のつきぞさびしき

 

いくかへりなれても悲し荻原や

末こすかぜのあきのゆふぐれ

 

物思はばいかにせよとて秋の夜に

かゝる風しも吹き初めけむ

 

からころもかりいほの床の露さむみ

はぎの錦を重ねてぞきる

 

秋はぎの散り行く小野の朝露は

こぼるゝ袖もいろぞうつろふ

 

秋の野に涙は見えぬしかの昔は

わく心をかやの露をからなむ

 

思ふ人そなたの風にとはねども

まづ袖觸るゝはつかりのこゑ

 

ゆふべより秋とはかねてながむれど

月におどろく空の色かな

 

秋をへてくもる涙のますかがみ

清きつき夜もうたがはれつゝ

 

思ふことまくらも知らじ秋の夜の

ちぢにくがくるつきの盛は

 

もよほすもなぐさむもたゞ心から

ながむ心月をなど(かこ)つらむ

 

さびしさも秋にはしかじなげきつゝ

寐られぬ月にあかすさ(むしろ)

 

秋の夜のあまの戸わたる月影に

おきそふ露のあけがれのそら

 

染めはつる時雨を今は松蟲の

なくなくをしむ野邊のいろいろ

 

白妙の衣しでうつひゞきより

おきまよふ霜のいろに出づらむ

 

思ひあへす秋ないそぎそさをしかの

妻とふ山の小田のはつ霜

 

秋くれてわが身しぐれとふる里の

庭はもみぢの跡だにもなし

 

あすよりは秋も嵐の音羽山

かたみとなしに散るこのはかな






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最終更新日  2020年09月05日 06時18分21秒
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