カテゴリ:俳人ノート
井原西鶴 難波都の梅の花 萬古小鳥の名木 其色香今別にして 匪々に谷を しらする事のはやし ことしも叉梅見て櫻ふち紅葉 初花心比名所の山にわけ入りて ちらぬ花ふむ 本曾のかけはしの 古歌を種として 初山やちらぬ花季ふむかた車 おもふ事は根から葉から 花なき里に かりねして現にもまぼろしにも わすれ難し 只の時もよし野は夢のさくらかな むかし西行法師信濃たな名山 千私の梢はありながら 花の咲さる事を 讀置れしその心かとりて 花なし山焼木にせぬもほとゝぎす 世に住めは油屋の隣 後生願ひのたゝき鉦 小夜ふけて下手のきぬた 夏の書ねをおこされし 蝉聞いて夫婦いさかひ恥るかな 世界廣し海見ぬ国有 山なしの国花も紅葉も 鯛も都酒もなくて 何か楽しみにはなりぬへし 雪の岑や山見ぬ國の拾ひ物 きのふに替りてやらさむし 目は見えねとも 風の聲におとろき かくれなき長寝坊も 枕の夢を覚しける 是沙汰ぞ諷のふくやうにけさの秋 日の本に住ける徳には 名月心影を詠め ける事のはやし 見た跡をもろこし人の月夜かな 見わたせは柳桜をきりませて 都の町をめせめといふ 大原の里の女馬かたも 爰に目なれてはおかしからす なくれ何把と栬しらば黒木売 女中ましりに春の野の すみれ椙菜をつむ比も世は 移りかはりて萬の草もかれかれ 物の淋しくなりぬ 枯野かなつはなの時の女櫛 ’ 雲ゐの鷺といふ 名歌の言葉をかりて 俳の一句になす事よしなく 是は子とも細工にしておかし. 烏賊の甲や我色酒す雪の鷺 餅突すゝはき 我も人も物のいそかはしき時とて すゑゝゝの女のせんたく物なと やかて花咲木々に掛置けるに心なし 竿持ス梅樹に柳にとしの暮れ 難波俳林 松寿軒 西鶴 壽松
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月06日 17時26分45秒
コメント(0) | コメントを書く
[俳人ノート] カテゴリの最新記事
|
|