カテゴリ:歴史 文化 古史料 著名人
犬小屋づくり
『大江戸府内絵本風俗往来』から
子どもたちが、手に手にありあわせの竹・木や繩・示などを持って集まってきた。これから、黒い板塀のかたすみに、産まれたばかりの子犬らのために犬小屋をつくってやろうというのである。 初冬に入ると江戸の町では、飼い犬が子犬を産みけじめ、市中いたるところ武家、町家、社寺の別なく、子犬が千ョロチョロと駆けまわる光景がみられたという。 何かと治安も定かでない当時にあっては、犬を盛んに飼って夜の警備にあたらせたのであった。 犬小屋を建てる場所には、町家ではあまり空地がないので便所の後とか掃き溜めのすみか、山手辺や武家地では余地も多く、日あたりのよい所がえらばれた。 子どもたちは、黒とかハチ、白やムクなどと子犬に名付けて、雨や雪から守ってやろうと犬小屋づくりに励んだ。また、よく乳が出るようにと、飲食物を運んでは、母犬に与えたりした。 可愛らしくて人によくなつく子犬は、子どもたちにとって楽しい遊び相手となったのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月24日 19時18分39秒
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