カテゴリ:山梨の歴史資料室
甲斐 語り継がれた 故郷のうた 苗取歌・田植え唄
甲斐俚謡集 文部省発行 俚謡集及び其拾遺による
掲載書『甲斐資料集成』 一部加筆 山梨歴史文学館
苗取歌 ○ョー、今日の、苗も終へるに、アーヨーナ、稲子は、どーこにとーまるー。アーヨーナ。 ○とりょい苗だよ、いつ蒔いた。雨風あはいで、春蒔いた。 ○けさーない(苗)の、つゆ(露)ーでは、そーじよ(袖)をー、濡れいたよーな-。 ○苗とりー上手の、苗取るはー、あ-本い手をー、いーれて。 ○しこくまーきの、なーい(苗)をなー、おーしーめーぐーりとらうよー。 ○なーヘーじーりのかーたーいはー、たろーじのかーほがみらーれーなー.(南巨摩郡)
田植歌
○なまけちや、くれちょ、早乙女衆。この下に三斗五升まきの田がある。(西山梨郡) ○オ-ヤレナ-ヤレヤレナ-、早乙女しゆ-、田を植ゑてしまへば、左うちわで。 ○オ-ヤレナ-、ヤレ、ヤレ、ヤレナ-。餅揚かね-やつは、うそつく年のく-れ。 ○オ-ヤレナ、今日の(苗)代はよいしろだ。 ○オ-ヤ-レナ、お馬でかいたかこの様に。 ○なまけちやくれちょ早乙女衆、この下に二斗五升撒きの田がある。 ○はや田を植ゑて農休み、連れ立ちて行きたい、伊豆の湯-ヘでも。 ○オ-ヤレナ-、植ゑで青ませ、穂にまで咲かせ、食はで行くのが女の緑々。 ○オ-ヤレヨ-、こひする海や-、どこにある。 富士山の裾野にたんだ-ひ-も-と-、 富士山の-すそのにたんだ-ひ-とも-と-。 ○五月がくれば思ひ出す。お隣と水掛論でうたれた。 ○我子になさけ掛けるよりも、房さん嫁子になさけをかけなさい。 ○植ゑ田の中へ植ゑ込まれ、親達見るか笠のあひから。 ○植田の中へぬれくと、植田はほさつ田の神よ。 ○昔の歌は理をせめぬ。今の歌は皆人身のことばかり。 ○はよ田を植ゑて、農休み大塚沼へ花見に。 ○植田の中へねさねさと馬鹿野郎。植田は菩薩田の神よ。 ○太郎次のとの々、お田植にや、東が白む。横雲が、引くんょ-、横雲が。(朝) ○かきねをならすきりぎりす、今宵は戻れあすの夜に。(夕) ○太郎次の、とのはどれがそだ。 七とこぬひめのはめりがさ、ま-せんよ-はそりがさ。(畫)(西八代郡) ○こ-こ(此処)は、と-のの、みおろし-、よくう-ゑて、た-もÌ-れよ-。 ○おてんたう(天道)様の、ひ-かりが、みづにもひ-かり、かも-やき。 ○けふ-のた-の-えしろうま,こま-、千匹おろいた。よいしろかいた。 をんな(女)がかいたか、このやうに。 ○オ-ヤレナ-、植えて青ませ、穂にまで咲かせ、食はで行くのが女の緑々。 ○オ-ヤレヨ-、こひする薄や-、どこにある。 富士山の裾野にたんだ-ひ-とも-と-、 富士山の-すそのにたんだ-ひ-とも-と-。 ○五月がくれば思ひ出す。お隣と水掛論でうたれた。 ヽ ○我子になさけ掛けるよりも、舅さん嫁子に情けをかけなさい。 ○植ゑ田の中へ植ゑ込まれ.親達見るか笠のあひから。 ○植田の中へぬれぬれと、植田は菩薩田の神よ。 ○昔の歌は理をせめぬ。今の歌は皆人々のことばかり。 ○はよ田を植ゑて、農休み大塚沼へ花見に。 ○植田の中へねさねさ馬鹿野郎。植田は菩薩田の神よ。 ○太郎次のとのゝ、お田植にや、東が白む。漬雲が、引くんよ-、横雲が。(朝) ○垣根を鳴らすきりぎりす、今宵は戻れあすの夜に。(夕) ○太郎次の殿はどれそだ。七とこぬひめのはめりがさ、 ま-せんよ-はそりがさ。(昼)(西八代郡) ○こ-こは,と-のの、みおろし-、よくう-ゑて、た-も-れよ-. ○お天道様の、ひ-かりが、みづにもひ-かり、かも-やき。 ○けふ-のた-の-えしろうま,こま-、千匹おろいた。 よいしろかいた。女がかいたか、このやうに。 ○よ-田を、うゑると知れたなら、松明もちて、こ-すもの-。 ○みろみろ-、たろ-じ。まだ田は-、一反歩。一反斗りやすいよ。 走りばしり、植ゑうよ。 ○おわか(別)れまうすよ田の神、みやうねん(明年)こそ參らうよ。 ○今朝も牡丹餅よ、やつたぢやないか。なんの遺恨で、深植ゑなさる。 晩にや私が酒を買ふ。 ○何の遺恨で、深植ゑなさる。今日も牡丹餅貰ったぢやないか, 思ひ直して浅植ゑなをれ。晩にや私が酒を買ふ。 ○はやう五月が来ればよい。三ど笠かぶって畦にた-ちた-い。(南巨摩郡) ○五月のうちに江戸へ立つ。武功さん、とて(到底)百姓にやなれまい。 ○千くらべても、先の殿、先の殿にます様の殿はごいせね。 ○なまけちやくれちょ早少女衆。この下に三斗五升撒きの田がある。(北巨摩郡) ○早田を植ゑて農休み、行きたいよ、大塚村の蓮の花に。(中巨摩郡) ○けふの田は七つにやあがる。ヤノ。やつをうつ、薬師の鐘か、ヤノ、ぼんとなる。 ○日は暮れぬ烏は森に、ヤノ、まひとまる。吾等も共に、ヤノ、まひとまる。 ○天笠のやつむねづくり、ヤノ、何がふきぐさ。蛍の葉と檜の枝が、ヤノふきぐ”。 ○初春に賓つみこむ千石船に、江戸の土産は、恵比寿大黒中にある。 ○早少女や田の中、やき餅や火の中。 ○太郎次さま。よい日の-日-取り、ヤレ、 早稲とでろ(泥)中、手がほなが-。アーヨイヨイ。 〇吉田ではおふじの七五三を、ヤノ、七重きる。七重も、八重も、ヤノ、九重も。 ○朝露に髪よゆひさけて,ヤノ、苗とれば、苗葉の露で、ヤノ、そでしほる。(南都留郡) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年11月02日 05時02分08秒
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