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2020年11月20日
カテゴリ：俳句観賞
俳句歳時記 新年 山本健吉氏著
一部加筆 山梨歴史文学館
時候 新年 新歳 年頭 甫年 改年 初年 明くる年 新しき年 新玉の年 新玉 玉の年 年立つ 向かう年 改まる年 来る年 来る年 年越ゆる 年立返る 年明く 年改まる 年の端 年の始 年の花
［解説］ 年の始めをいう。「あらたまの年」の「あらたま」は枕詞であるが、新年の意に用いる。 ➡初音
八月に閏あり 来る年や末だのみなる巾の秋 梅盛（花見車） としの花鶯までは気も付ず 来山（柏崎） 入り船や年立帰る和則の原 才丸（真蹟） とし立や新年ふくべ米五升 芭蕉（芭蕉句選） 先明て野の末ひくき霞哉 荷兮（春の日） 内野に春を迎へて苔路の稚子を祝す艸 鶯や年の関越す花ごゝろ 浪化（浪化上人発句集） なつかしき人やあまたにとし明ぬ 土芳（蓑虫庵集）
歳 旦 明て今朝門ンなる竹の青ミかな 洒堂（歳旦牒） あら玉や一斗もせぬさくら花 土芳（蓑虫庵集）
新 家 賀 年立や雨落ちの石凹む迄 一茶（九番日記） 先づ女房の顔を見て年改まる 高浜虚子（定本虚子全集） 日輪は古びて廻り年新た 同（句日記） とし立つや結びて長き箱の紐 小策庵春湖（改造文学全集） 新年のゆめなき夜をかされけり 飯田蛇笏（雲母） 高山大河年新たなる草廬かな 湯田文生（新谷夏秋冬） 松の上の雪しづりそめ年来り 臼田（定本亜浪句集） 花屋いでて満月に年立ちにけり 渡辺水巴（水巴句集） 神に仕ふる心ゆたかに年立ちね 高田蝶衣（青垣山） 新年の山見て居れば雪ばかり 室生犀星（犀星発句集） 年立つや吹雪は笛を鴫らし来る 前田普羅（第二同人句集） 年こゝにいよゝゆゝしく改まる 佐藤摺人（ 同 ） 星恋のまたひととせのはじめの夜 山口誓子（晩刻） 年頭の燈台臼しと報げやらむ 中村草田男（火の嶋） 年頭とて鵞ペン造りてみし頃よ 同（万緑） 星空のなほひしひしと歳明けず 長谷川素逝（ふるさと） 年新し狂院鉄の門ひらき 西京三鬼（今日） 迎春や梅花柄鳥図あるのみ 遠入たつみ（第二同人句集） わが齢一を加へしばかりなり 加藤霞村（同） 年明くとベッドに凭いて足袋はけり 石田波郷（春嵐） 犬の鼻大いに光り年立ちぬ 加藤楸邨（野哭） 年祝ふ家族の増ゆることもなく 山口波津女（良人） オリオンの盾新しき年に入る 橋本多佳子（海彦） 新年のなさけに酔ふて父あはれ 矢野芳孤（雲母） 年頭に吉井勇の老の歌 百合山羽公（馬酔木） 櫟生の靄あたゝかく年立てり 米谷静二（馬酔木） 雨やさし年立つ夜の青きものに 沢田弦四朗（馬酔木） 祓所の幣が浄らに年立ちぬ 柳原 蝌蚪子（馬酔木） ことさらのおもひ深雪に年立ちて 及川貞（馬酔木） 派手を身につけず来し年重ねけり 及川貞（馬酔木） 年来る雪嶺になほ月明し 小野宏文（馬酔木） 新年のくるぶし緊ひるかたき足袋 能村登四郎（馬酔木） 年明けし雪まとひ発つ登山隊 八重樫宏志（馬酔木） 年明くる明日も谷を特つ司書の椅子 渡辺千枝子（馬酔木） 年越えし立枯黍のひかりたつ 遠藤正年（馬酔木） 病まず年越えし安堵や風邪に臥す 古賀まり子（馬酔木） 植ゑし蘭のみどりきびしく年迎ふ 桑原四郎（馬酔木） すこやかに年を迎へて老医たり 吉田狐羊（若葉） あふのきの年又迎ふ松と鳶 片柳申生（鶴） 新年の丹心を出る服の袖 油布五線（善人） 新年の風見鶴見ゆ墓地の端 田川飛旅子（花文学） をのこ子の小さきあぐら年新た 成田千空（万緑） 年頭に漂泊の楽曲馬団 三島晩暉（天狼） 人歩きゐて新しき年になる 古屋秀雄（天狼） 年明くる工門そこに船首聳つ 高橋力（天狼） 胸うすき友の鼻あり年明けそむ 赤城さかえ（浅蜊の唄） 年明けしくりやの青菜籠にあふれ 川本臥風（樹心） 年明くる雲の数片音なく過ぎ 川口さざれ（火山灰地） 年明くる暗き瓦の傾斜より 堀井春一郎（教師） 布鞄いたはりつづけ年新に 服部海童（麦の禾） 年いまか立つらし雪の遠神楽 小竹鵜川（俳句三代集） お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
2020年11月20日 16時35分25秒
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