カテゴリ:山口素堂資料室
素堂発句集 重複する句は前出の句集による。(未収句は続編で) 素堂発句 伊勢踊 26才 寛文七年 1667 1 かへすこそ名残おしさハ山ゝ田 2 あめにうたれあなむ残花や兒櫻 3 花の塵にまじるハうしや風の神 4 取結べ相撲にゐ手の下の帯 5 よりて社そるかとも見め入相撲 素堂発句 一本草 28才 寛文九年 1669 6 化しかハり日やけの草や飛蛍 素堂発句 繪 合 28才 寛文九年 1669 7 扨はそうか夢の間おしき時鳥 8 富士山や遠近人の汗拭ひ 素堂発句 蛙井集 30才 寛文十一年 1671 9 姫氏國や一女をもとの神の春 素堂発句 江戸両吟集 35才 延宝四年 1676 10 梅の風俳諧國にさかむなり 素堂発句 35才 當世男 到来集 延宝四年 1676 11 何うたがふ辧慶あれば雪女 12 花の坐につかふ扇も用捨哉 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 13 鉾ありけり大日本の筆はじめ 14 見るやこゝろ三十三天八重霞 15 ちるを見ぬ鴈やかへつて花おもひ 16 海苔若和布汐干のけふぞ草のはら 17 夕哉月を咲分はなのくも 18 返せもどせ見残す夢を郭公 19 初鰹またじとおもへば蓼の露 20 戦けりほたる瀬田より参合 21 峠凉し沖の小島のみゆ泊り 22 富士山やかのこ白むく土用干 23 鬼灯や入日をひたす水のもの 24 むさしのやふじのね鹿のねさて虫の音 25 根来ものつよみをうつせむら紅葉 26 宗鑑老下の客いかに月の宿 27 正に長し手織紬につちの音 28 乾坤の外家もがな冬ごもり 29 茶の花や利休が目にはよしの山 30 凩も筆捨にけり松のいろ 31 世の中や分別ものや河豚もどき 素堂発句 江戸三吟 35才 延宝 六年 1678 32 さぞな都浄瑠璃小哥ハ爰の花 素堂発句 江戸 35才 延宝五年 1677 33 小僧来り上野は谷中の初櫻 江戸新道 34 目には青葉山郭公はつ鰹 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 5 遠目鑑我をおらせけり八重霞 江戸廣小路 36 李白いかに樽次はなにと花の瀧 〃 37 おもへば人雪折竹もなかりけり 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 38 雑巾や松の木柱一しぐれ 鱗 形 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 39 二万の里唐津と申せ君が春 富士石 延宝 七年 1679 40 かな文や小野のお通の花薄 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 41 山は扇汗は清見が關なれや 江戸蛇之鮓 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 42 また是より若葉一見と成にけり 向之岡 延宝 八年 1680 43 亦申上野の秋に水無瀬川 〃 44 蓮の實有功經て古き龜もあり 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 45 爰ぞ命顔淵が命夏の月 誹 枕 46 富士は扇汗は清見が關なれや 〃 47 六月やおはり初物ふじの雪 〃 48 髭の雪連歌と打死なされけり 〃 49 花の千世の何かの春も江戸也けり 〃 50 参勤せよ吉野も爰に江戸櫻 〃 51 武蔵野やそれ釋尊の胸の月 〃 52 武蔵野や月宮殿の大廣間 〃 53 夕立や虹のから橋月は山 〃 54 廻廊や紅葉の燭鹿の番 トモシビ 〃 55 入船やいなさそよぎて の風 アキ 〃 56 水や空うなぎの穴もほし螢 〃 57 宿の春何もなきこそ何もあれ 江戸辧慶 58 螢稀に點置けり池の星 ナカデ 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 59 玉子啼て卅日の月の明んらん 東日記 延宝 九年 1681 60 宮殿爐也女御更衣も猫の聲 〃 61 秋訪ハゞ詞ハなくて江戸の隠 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 62 池はしらず龜甲や汐ヲ干ス心 武蔵曲 天和 二年 1682 63 舟あり川の隅ニ夕凉む少年哥うたふ 〃 64 鰹の時宿は雨夜のとうふ哉 〃 65 行ずして見五湖煎蠣の音を聞 イリガキ 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 66 山彦と啼ク子規夢ヲ切ル斧 虚 栗 天和 三年 1683 67 亦や鰹命あらば我も魴 〃 68 浮葉巻葉此蓮風情過たらん 〃 69 鳥うたがふ風蓮露を けり 〃 70 そよがさす蓮雨に魚の兒躍 〃 71 荷たれて母にそふ鴨の枕蚊屋 〃 72 青蜻花のはちすの胡蝶かな トンボ 〃 73 おのれつぼみ己レ畫てはちすらん 〃 74 花芙蓉美女湯あがりて立リけり 〃 75 荷ヲうつて霰 君みずや村雨 〃 76 蓮世界翠の不二の沈むらく 〃 77 或ハ唐茶ニ酔 蓮の梶 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 78 小鮎とり〓とりおもハず鯉が淵 空林風葉 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 79 雨の蛙聲高になるも哀哉 孤 松 80 寒くとも三日月見よと落葉哉 〃 貞享 元年 1684 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 81 蠹とならん先木の下の蝉とならん 白根嶽 貞享 二年 1685 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 82 餘花ありとも楠死して太平記 一樓賦 83 いつか花に茶の羽織檜木笠みん 〃 84 吾荷葉梅に烏のやどり哉 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 85 市に入てしばし心を師走哉 三物集 貞享 三年 1686 86 簔蟲やおもひしほどの庇より 貞享 四年 1687 87 きこへぬ蓑虫の音ぞ露の底 〃 88 みの虫にふたゝび逢ぬ何の日ぞ 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 89 もろこしのよしのゝ奥の頭巾哉 句餞別 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 90 春もはや山吹しろく苣苦し 続虚栗 チサ 91 芭蕉いづれ根笹に霜の花盛 〃 92 年に一夜王子の狐見にゆかん 〃 93 唐土に富士あらばけふの月も見よ 元禄 元年 1688 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 94 池に鵞なし假名書習ふ柳哉 曠 野 元禄 二年 1689 95 綿の花たまく蘭に似るかな 〃 96 名もしらぬ小草花咲野菊哉 〃 97 麥をわすれ華におぼれ雁ならし 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 98 富士筑波二夜の月を一夜哉 其 袋 元禄 三年 1690 99 たのしさや二夜の月に菊そへて 〃 100 江を汲て唐茶に月の湧夜哉 〃 101 ム すぎぬこゝろや月の十三夜 ウマ 〃 102 月九部あれのゝ蕎麥よ花一つ 〃 103 冬瓜におもふ事かく月み哉 〃 104 むくの木のむく鳥ならし月と我 〃 105 蘇鐵にはやどらぬ月の薄かな 〃 106 遠とも月に道かゝれ野邊の蘿 〃 107 袖につまに露分衣月幾クつ 〃 108 月一ツ柳ちり残る木の間より 〃 109 此たびは月に肥てやかへりなん 〃 110 われつれて我影帰る月夜かな 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 111 垣根破るその若竹をかきね哉 いつを昔 112 おもだかや弓矢たてたる水の花 〃 113 河骨や終にひらかぬ花盛 〃 114 暑き日も樅の木間の夕日かな 〃 115 去年の蔓に朝顔かゝるかきね哉 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 116 我蔓をおのが千引の西瓜かな 後の塵 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 117 竹青く月赤し雪の墨くま 雑談集 元禄 四年 1691 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 118 人やしる冬至の前のとし忘れ 勧進牒 119 氷閉てをしむや蓮の莖をさへ 〃 120 汐干つゞけ今日品川をこゆる人 〃 121 わすれ艸もしわすれなばゆりの花 〃 122 西瓜独野分をしらぬ朝かな 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 123 朏にかならず近き星ひとつ 百人一句 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 124 いづれゆかん蓮の實持て廣澤へ 餞別五百韻 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 125 松嶋の松陰にふたり春死む 己が光 元禄 五年 1692 126 めでたさや星の一夜も朝顔も ・ 127 一葉浮て母につげぬるはちす哉 128 魚避て鼬いさむる荷葉かな 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 129 腹中の反古見はけん年のくれ 深川集 元禄 六年 1693 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 130 このわすれはがるゝ年の掟ならん 流川集 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 131 髭宗祇池に蓮ある心かな 炭 俵 元禄 七年 1694 132 三日月の隙にてすゝむ哀かな 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 133 鳩の巣や帰る目路成芦のひま 蘆分船 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 134 旅の旅つゐに宗祇の時雨哉 枯尾花 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 135 又是より青葉一見となりにけり 句兄弟 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 136 朝かほハ其年の垣に盛哉 芳里袋 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 137 さか折のにゐはりの菊とうたはゞや 笈日記 元禄 八年 1695 138 はなれじと昨日の菊を枕かな 甲山記行 139 山窓や江戸を見ひらく霧の底 〃 140 下くゞる心の栗鼠やぶどう棚 〃 141 さびたりとも鮎こそまさめたゞの石 〃 142 蔕おちの柿のおときく深山哉 〃 143 旅ごろも馬蹄のちりや菊がさね 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 144 あさがほの星と一度にめでたけれ 墨吉物語 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 145 頭巾着て世のうさ知らぬ翁哉 翁 艸 元禄 九年 1696 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 146 魂やどし凩に咲梨の花 〃 147 照日にハ蝸牛もきしる柳哉 〃 148 其不二や五月晦日二星の旅 〃 149 日照年二百十日の風を待ツ 〃 150 漆せぬ琴や作らぬ菊の友 〃 151 白河や若きもかゞむ初月夜 〃 152 人待や木葉かた寄ル風の道 〃 153 古足袋や身程の宿の衣配リ 〃 154 晴る夜の江戸より近し霧の不二 陸奥鵆 155 あはれさやしぐるゝ比の山家集 〃 156 水甕を汲干すまでに月澄て 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 157 青海や太鼓ゆるまる春の聲 末若葉 元禄 十年 1697 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 158 茶の羽織おもへば主に穐もなし 柱 暦 159 御手洗や半バ流るゝ年わすれ 寄 生 元禄十一年 1698 160 橋立や景過もせず霧のひま 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 161 秋むかし菊水仙とちぎりしが 続有磯海 162 苔の底泪の露やとゞくべし 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 163 露ながく釜に落来る筧かな 皮籠摺 元禄十二年 1699 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 164 立されよ今は都に帰る厂 蓑 笠 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 165 枯瓢蚤か茶臼をおふこゝろ 芭蕉庵六物 166 菊にはなれかたはら寒し水仙花 〃 167 となりぬべらなり茶の羽折 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 168 くだら野や無なるところを手向草 冬かつら 元禄十三年 1700 169 紙ぎぬの侘しをまゝの佛かな 〃 170 像に声あれくち葉の中に帰り花 〃 171 時雨の身はいはゞ髭なき宗祇かな 〃 172 菊遅し此供養にと梅はやき 〃 173 生てあるおもて見せけり葛のしも 〃 174 七草よ根さへかれめや冬ごもり 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 175 歎とて瓠ぞ残る垣の霜 はだか麥 元禄十四年 1701 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 176 滋賀の花湖の水それながら そこの花 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 177 桜笠雨にハこぼれ香をかえて きれぎれ 178 花に行行ぬも京のゆかり哉 〃 179 花の比奈らざらし賣家も有 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 180 夢なれや梅水仙とちぎりしに 追鳥狩 181 大井川しづめて落るつばき哉 杜撰集 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 182 ふんぎって都の を下りけり 続別座敷 183 ふらばふれ牛は牛づれ秋のくれ 宗長庵記 184 朝霧や嘸朝寐にて柴の庵 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 185 草と見て開くふようの命かな 文蓬莱 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 186 ちからなく菊につゝまるばせをかな 三河小町 元禄十五年 1702 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 187 花に結び麥にほにとく舎りかな 行脚戻 元禄十六年 1703 188 伊勢船を招く新樹の透間哉 189 此名残古郷も遠し時鳥 〃 190 牡丹持もつがもつほど花の貧ン 分 外 宝永 元年 1704 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 191 しぼミても命長しや菊の底 千句塚 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 192 ずっしりと南瓜落て暮淋し 番橙集 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 193 月ひとつもたぬ草葉の露もなし 194 花水にくたけては舎利となる水 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 195 釣上よ蓮のうき葉を藤のつる 賀之満多知 宝永 二年 1705 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 196 枯にけり芭蕉を學ぶ葉廣草 誰身の秋 197 長雨の空吹出せ青嵐 198 枇杷黄也空ハあやめの花曇り 〃 199 □□□□□けふや八橋寺の杜若 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 200 涅槃会や花も涙をそゝぐやと かくれさと 宝永 三年 1706 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 201 木の間ゆくかづきにちらし櫻かな 東海道記行 202 喜撰法師師螢のうたもよまれけり 〃 203 白雲を下界の蚊屋につる夜哉 〃 204 茸狩やひとつ見付しやみのほし 〃 205 雲半山石をのこしてもみぢけり 〃 206 至れりや杉を花ともやしろとも 〃 207 宿からん花に暮なば貫之の 〃 208 辧慶の面影白し花の雪 〃 209 さてはさうか花の跡とてなつかしや 〃 210 さびしさを裸にしけり須磨の月 〃 211 朝霧に歌の元気やふかれけむ 〃 212 廻廊にしほみちくれば鹿ぞなく 〃 213 珠は鬼火砂糖は土のごとくなり 〃 214 夕立にやけ石寒し浅間山 〃 215 鴨の巣や富士にかけたる諏訪の池 〃 216 霧雨に衣通姫の素顔見む 〃 217 遅き日やしかまのかち路牛で行 〃 218 しんくたる山はいろはのはじめ哉 〃 219 ふみもみじ鬼すむあとの栗のいが 〃 220 月夜よし六星の松の中ほどに 〃 221 浦島が鰹は過ぬ いまだ 〃 222 ほとゝぎすかたじけなさやもらひなき 〃 223 何となくそのきさらぎの前のかほ 風の上 宝永 四年 1707 224 たきさしやそ朶の中よりこぼれ梅 梅の時 宝永 五年 1708 225 かくれがの芝居の市に花ちりぬ 〃 226 山は朝日薄花櫻紅鷺の羽 トキ 星會集 宝永 六年 1709 227 我むかし一重の壁をきりゞす 既 望 228 筆始手に艶つける梅柳 229 長明が車にむめを上荷かな 誰 袖 正徳 元年 1711 230 竹植る其日を泣や村しぐれ 鉢 扣 正徳 二年 1712 231 晝の内鴎に眠りちどりにハ 千鳥掛 232 茶の花や須广の上野ハ松ばかり 〃 233 初なづな鰹のたゝき納豆まで 〃 234 馬に市かきつバたには人もなし 〃 235 剃からは髭も惜まじかみな月 みかへり松 正徳 五年 1715 236 しらゞししらけし花の墨のもと 昔の水 237 はずかしの蓮に見られて居る心 黒露書簡 正徳 六年 1716 238 初夢や通天のうきはし地主の花 〃 江戸ごゝろ鰹と聞けばまなもよし この馬 享保 元年 1716 素堂逝去 辞世の句 初夢や通天のうきはし地主の花 素堂逝去後 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 239 項羽が騅佐々木が生喰の木瓜の花 鵲尾冠 享保 二年 1717 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 240 あれて中く虎が垣ねのつぼすみれ 素堂家集 享保 六年 1721 241 朝鮮もなびけしあとや野人参 〃 242 我舞て我に見せけり月夜かげ 〃 243 たけがりや見付ぬ先のおもしろさ 〃 244 袖の香やきのふつかミし松の露 〃 245 鮎小鮎花の雫を乳房にて 〃 246 水縁に白魚あきらかなり雁しばし 〃 247 貳朱花や揚屋の目にはしぼみ咲 〃 248 蓮に蛙鶯宿梅のこゝろかよ 〃 249 夕だつや石山寺の銭のおと 〃 250 朝がほは後水尾様の御製かな 〃 251 名月に明星ばかり宿直かな 〃 252 椎の葉にもりこぼしけり露の月 〃 253 さび鮎も髭にふれずや四十年 〃 254 尾花かくす孫彦ぼしやけふのえん 〃 255 地下におちて風折ゑぼしなにの葉ぞ 〃 256 世は鳴戸暦はづれに渦もなし 〃 257 はつむかし霜の芭蕉のたもとより 〃 258 瓢枕宗祇の蚊屋はありやなしや 〃 259 とくくの水まかねバ来ませ初茶湯 〃 260 胴をかくし牛の尾戦ぐ柳哉 〃 261 筬の音目を道びくや藪つばき 〃 262 谷川に翡翠と落る椿かな 〃 263 是つらよよし野の花に三日寝て 〃 264 いつか花に小車と見む茶の羽織 〃 265 菜畠の爰が左近のさくらかよ 〃 266 朝虹やあがる雲雀のちから草 〃 267 夕風に見うしなふまでハ雲雀哉 〃 268 村雨につくらぬ柘植の若葉かな 〃 269 水や空うなぎの穴もほし螢 〃 270 山すゞし京と湖水に眼三ツ 〃 271 千鳥聞し風の薫りや蘭奢待 〃 272 三日月をたはめて宿す薄かな 〃 273 袖ミやげ今朝落しけり野路の月 〃 274 宿に見るもやはり武蔵野の薄哉 〃 275 蓮の實の泥鷺をうつ何ごゝろ 〃 276 簔むしの角やゆづりし蝸牛 〃 277 有明の蕣の威に氣をめされ 〃 278 あさがほよおもハじ鶴と鴨のあし 〃 279 塔高し梢の秋のあらしより 〃 素堂発句 六百番発句合 35才 延宝五年 1677 280 松陰におち葉を着よと捨子哉 とくとくの句合 享保二十年 1735 281 天の原よし原富士の中ゆく時雨哉 〃 282 綱さらす松原ばかりしぐれかな 〃 283 暮おそしつる賀の津まで比良の雪 〃 284 炭竃や猿も朽葉もまつも雪 〃 285 浮葉巻葉立葉折れ葉とはちすらし 〃 286 棚橋や夢路をたどる蕎麦の花 〃 287 名をとけて身退しや西施乳もどき 〃 288 老の春初はなげぬき今からも 〃 289 土佐が繪の彩色兀し須磨のあき 〃 290 此暑氣に樓舟なし隅田川 有渡日記 元文 二年 1737 291 そよ更にむかしを植てしのぶ艸 蜀川夜話 宝暦 七年 1757 292 蕣は朝なくの御製かな 秋の七艸 宝暦十二年 1762 293 地は遠し星に宿かれ夕雲雀 摩訶十五夜 明和 二年 1765 294 瀧あり蓮の葉にしばらく雨 去来抄 安永 四年 1775 295 大井川桃の雫や石一つ 雪丸げ 296 鮎の子の何を行衞に上り船 〃 297 江を渡る梅あミほせる男しるべせよ 真 蹟 298 鶉聲して鼠ハふるすに帰けり 〃 299 唐がらしあけをうばふやなすびあへ 〃 300 池芙蓉國に入て夢かうばし 〃 301 うたゝねや孤山の梅を妻と見て 短 冊 302 初空やねまきながらに生れけり 〃 303 水てりてうなぎの穴も螢哉 短 冊 304 粟津野やこのまの星を打螢 〃 305 ふくる夜は簾も蚊やも螢哉 〃 306 後朝にきぬひきかつぐ螢かな 〃 307 けふとてや行脚姿で帰花 〃 308 星やあふ秋の七草四人なし 〃 309 糸梅に袖にむさし野鳥のこえ 〃 310 我ほかに誰やきませと花芒 葛飾正統系図 参考文献 荻野清氏著『元禄名家句集』 大野酒竹著『素堂句集』 黄東遠氏著『山口素堂の研究』 拙著『山口素堂の全貌』 在疑(荻野清氏『元禄名家句集』による) 朝顔の車は二条わたりとも 素堂家集( ) 文化・文政頃 天の原不二をひとくち茄子哉 〃 うらゝかやそらにもうつる鶴が岡 〃 川舟やはやほとゝぎすまつち山 〃 草刈にあしもと見よとづみれ哉 〃 こもりくのはつ明ぼのに何もかも 〃 酢ごのみや花に女のとまり客 〃 角帽子雪にしぼむか不二詣 〃 魂は古巣にかへる紙衣 〃 ゆふだちやまつ青傘のつゞくまで 〃 蕣や筆匂ひなき松花堂 白蓮集解説 満延 元年 安房上総つぎ馬もがな汐干潟 〃 青梅やふところにしてたらちねへ 〃 かの岡に草かるおのこ秋の風 〃 かるぐと笈の出立や更衣 〃 草や非情有情となって飛ぶ螢 〃 木隠れの袖もまだ若し初時雨 〃 心なし我に別れて駕の蝶 〃 我ものにして物さわがしやぶどう棚 〃
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最終更新日
2020年12月10日 16時11分54秒
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