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山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

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2021年01月09日
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カテゴリ:著名人紹介
○ 塙(はなわ)保己一(ほきいち) 群書類従 編者

◇ 太田南畝『一話一言』
◇ 一部加筆 山梨県歴史文学館


塙検挍、保己一は武州児玉郡保己間村の人なり。六歳にして明を喪ひ、十余歳にして江戸に出て高井下総守殿に仕ふ。三線を学ぶ事三年、また針を学ぶ事数年、みなその好む所にあらず、萩原宗因にまみへて和歌を学び、また和学を受ける、一たびきく所終身わすれず、かつて上京して北野に詣でしより、深く天満宮を信じ、江戸に帰りても麹町平河天神に日参し、また他所にあれば居付く何処の天神にても日に一たび拝せざる事なし。

和書の散逸せるを歎き、大志願を起し、天下のあらゆる和書を校訂して世に伝へんとす、されども位なくてはその志とげがたしと、日々に心経十巻づつ読みて、千日に充るの翌日、はからざるに人のすゝむるありて四分の階に至る、時に宝暦十三年(1763)祭未八月廿六日なり。それより又千日の願をたて日々に百巻づゝ誦せしに、安永三年(1774)甲午十二月朔日辰の上刻にいたりて千日読誦の願みつる刻限、勾当の階にいたる。それより信心いやましにおこり、また百巻づと一千日読誦せしに、天明三年(1783)祭卯三月七日に終る。
おなじき廿五日中刻拾校の階にいたる告文来たれり、日頃菅神にかたふきいのり申せし事、感応のむなしからざるをよろこび、猶又和書を類書とし一千部を集めて世につたへ、
群書類従と名付んとし、日々に百巻の心径をこたる事なし。
かつ盲人の位階を得るや、黄金を納れざれば一階を得がたし、
故に世の盲人多くは子(か)銭家(ねかし)となりて、
その息をもて階に進む事を得る事也。
保己一はこれにことなり、

其来往する所の貴戚朋友その志の切なるに目出てを通じてこの階を得たり。
他日類書の志願その本意をとげん事推し計るべし。





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最終更新日  2021年01月09日 07時19分51秒
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