2304950 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2021年01月09日
XML
○ お七の墓
◇ 太田南畝『一話一言』
◇ 一部加筆 山梨県歴史文学館


瀬名貞雄云、八百屋於七が墓、小石川円乗寺にあり、上に梵宇ありて妙栄禅定尼とあり、この碑ふるき碑にて、先年火災の時より折れたりしを、そのまま上にのせてあり、又右同様に銘もぎりて、立像の弥陀を彫刻せしあたらしき碑その側にあり、是は近頃建たる碑なり。予、この故を尋けれども知れず候しに、ある人語ていはく、円乗寺の住持にこの子細を尋ねしに、住持答えて云う、
駒込天沢山竜光寺は、京極佐渡守高矩の菩提所にて、彼家の足軽など度々墓掃除に通ひたりし、何某とかいひける足軽、ある夜の夢に、かの墓掃除に参りける心地にて、小石川馬場の辺を夜深に通けるに、雞一羽出たるをみれば、頭は小女の首にて形雞也、彼足軽の裾を喰へて引ける故、その故を尋ねしに、小女のいふ、
はずかしながらわれは以前大罪に行はれし八百屋の七といふ者也、今以て此の如く浮み不申候故跡弔ひ給はれと頼みけるを、夢の心地にてうけがひたり、夢さめて思はざる夢を見し事と思ひたりしに、此夢三夜うち続きてみしまゝに、今は忍びあへず、駒込吉祥寺に行て尋けるに、是は小石川円乗寺へ行て尋ぬべしと挨拶ありし故参りたりとて、円乗寺へ伴の足軽尋来しゆえ、いかにも、お七が墓は存るといへども、火災の節折れたりしが、無縁のもの故たれか再興すべきと空しき体に候と住持答へしに、右足軽、墳墓を新にして、立像の弥陀を彫刻させ、お七が法名を彫らせ、立そへて、法事料を納て法事を頼けるよし、いかなる因縁にてかれが夢にみへ法会行ひける事かしれず、典後はかの足軽も見へずと、円乗寺住職物語の由。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年01月09日 18時38分31秒
コメント(0) | コメントを書く
[歴史 文化 古史料 著名人] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

山口素堂

山口素堂

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

10/27(日) メンテナ… 楽天ブログスタッフさん

コメント新着

 三条実美氏の画像について@ Re:古写真 三条実美 中岡慎太郎(04/21) はじめまして。 突然の連絡失礼いたします…
 北巨摩郡に歴史に残されていない幕府拝領領地だった寺跡があるようです@ Re:山梨県郷土史年表 慶応三年(1867)(12/27) 最近旧熱美村の石碑に市誌に残さず石碑を…
 芳賀啓@ Re:芭蕉庵と江戸の町 鈴木理生氏著(12/11) 鈴木理生氏が書いたものは大方読んできま…
 ガーゴイル@ どこのドイツ あけぼの見たし青田原は黒水の青田原であ…
 多田裕計@ Re:柴又帝釈天(09/26) 多田裕計 貝本宣広

フリーページ

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.
X