カテゴリ:歴史 文化 古史料 著名人
赤穂浪士、討の前に諸事取片付の節手紙一通弁発句
山をぬく力も折れて松の雪 大高源吾忠雄 十二月十三日夜の作なるよし 雪はれて心に叶ふあした哉 堀部弥兵衛 金丸 泉岳寺にて読める歌 人の世の道しわかすは遅くとく 消ゆる雪にも踏み迷ふへき 神崎与五郎 則休
○ 義士辞世 元禄十六年二月四目より今年迄(寛政四年)九十五年になる。
あら楽し思ひはゝるゝ身は捨る浮世の外にかゝる雲なし 大石内蔵助 江戸の地にしはしやすろふ陰もなし君か為とて捨る身なれは 大石主税 世やいのち咲のりかゝる世の命 岡野金右衛門 我が罪は人のるたびにさゝりけりなにとあらしに迷ふ山風 小野寺十内 仕合や死出の山路も花さかり 堀部安兵衛 品もなくいき過きたりと思ひしに今まちへたる老の楽しみ 原惣右衛門 雪霜の数に入りけり君が為め 三村次郎右衛門 兼ねてより君と母とに知らせんと人より急く死出の山道 吉田沢右衛門 思ひ草繁れる野辺の旅枕かり寝の夢は結さりしを 神崎与五郎 今日ありと心に知りて武士のおはる月日の身こそ辛けれ 不破数右衛門 待しはし死出の遅速はあらぬともまつ先かけて道しるへせん 大高源吾 桜咲く茶屋もあらしか死出の旅 大高源吾 今日も春耽かしからぬ寝ふし哉 富森助右衛門 人はたゝいはぬ色おや惜しむらん浮世の名さへ口なしにして 村松三大夫 人の世の道しわかすは遅くとも消ゆる雪にもふと迷ふかな 磯貝十郎左衛門 思ひきや今朝立春になからへて末の歩みを猶待たんとは 間瀬久太夫 なからへて浮き世の春は散けれと御法の花を待は久しき 吉田忠左衛門 歳暮 なからへて春を待へき身なられは猶惜しまるゝ年の暮かな 大石氏 山科へ送りし歌 思ひ入る身は武蔵野の夕露に残る心は霜の下草 大石氏 弓印 あつさ弓大和の道はふみも見すこてさし原に雪は降りつゝ 神崎与五郎 鎗印 その匂ひ雪の朝路の野梅かな 岡谷氏 鎗印 都鳥いさ事問はん武士の恥ある世とは知るや知らすや 関喜兵衛 此鎗印の歌を見て とひ込て手にもたまらぬ夕へかな 大石良雄 手向 現とも思はぬうちに夢覚て妙なる法の花にあふらん 小野寺妻女 同 おくれしと思ふ浮世に永らへてなき数々に言の葉心なし 間氏妻女 重次郎墓所に向ひて 梓弓矢竹心や武士の引かへされぬおとそかなしき 間氏妻女 本望達したる朝 鑓梅に瀧きかけたり今朝の雪 大高子葉 同しく あら甘宜し思ひの外のふくと汁 神崎春帆
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最終更新日
2021年05月16日 16時54分59秒
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