カテゴリ:山口素堂資料室
山口素堂・序文 54才 元禄八年(1695)『俳諧翁草』序文。里圃編。
室生氏の家に、 浦の浜ゆふをうつして植てももの縁を愛せられける。 紫や伊勢の海、 清きなぎさより出てみくまのうつしさらぬ所々にもはふ広こりぬ。 これをゆふと名を呼ぶことは、 葉なのいさぎよきをもて神に捧げかればなり。 葉のもえ出るころは、おもとのいきほひに似て、 後これをはせをといはんも過ぎたりとせず、 色好の家には是をかたしき、 ねぬる夜の夢に恋しき人に逢など、 人しれぬ事にいひ伝へはべれど、もとより舞曲に名ある家ならず。
はまゆふや風にそよかかる露の夕ばへ
これをさゆふにとりこれをかざす扇にいつしたまへと
其不二や五月晦日の二里の旅 素堂 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年06月08日 16時05分06秒
コメント(0) | コメントを書く
[山口素堂資料室] カテゴリの最新記事
|
|