カテゴリ:山口素堂資料室
江戸 素堂の家
山口素堂と江戸の儒者をめぐって 大庭卓也
癸酉季夏初十日、 与二一二君子乗舟泛浅草川、 入川東之小港訪山素堂之隠窟。 竹径門深、荷花池涼。松風繞圃、 瓜茄満畦。最長塵外之趣也。 偶掲「竹深荷浄」為題、分 「童稚不知衣冠」為韻、得「不」字。
【解説】 癸酉季夏の初の十日、 二三の君子と舟に乗り浅草川に泛び、 川東の小港に入り、山素堂の隠窟を訪おとなふ。 竹径の門深く、荷花の池涼し。 松風圃を繞りめく、瓜茄畦に満つ。 最も塵外の趣に長ずるなり。 たまたま「竹深く荷浄し」を掲げて題と為し、 「童稚衣冠を知らず」を分けて韻と為し、「不」の字を得たり。
遥問水村幽 自無塵暑受 隔園蓮三潭 挟門竹数畝 曾希濂渓賢 又引徂徠友 琅竏素堂簾 琥珀碧笛酒 鄭趣其猷為 酔吟独何不 曳杖晩風清 凉月上東阜
遥かに問ふ水村の幽 自おのづから塵暑を受くること無し 園を隔てて蓮はす三潭 門を挟んで竹たけ数畝 曾かねて濂渓の賢を希したひ 又また徂徠の友を引く 琅幵は素堂の簾 琥珀は碧笛の酒 鄢趣其れ為さんことを猷る 酔吟独り何ぞなさざる 杖を曳ひけば晩風清く 凉月東阜に上る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年06月13日 08時49分25秒
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