カテゴリ:山口素堂資料室
素堂48才 元禄二年(1689)『さらしな紀行』
誰か華を思はざらむ、 たれか市中にありて朝のけしきを見む、 我、東四明の麓有て、 はなのこころはこれを心とす。 よつて佐川田喜六の、 よしの山あさなあさなといへる歌を実になんず。 又
麦喰し華と思へどわかれ哉
この句尾陽の野水子の作とて、 芭蕉翁の傳へしを、なをざりに聞しに、 さいつ頃田野の居をうつして、実に此句に感ず。 むかしあまた有りける人の中に、 虎の物語せしに、 とらの追はれるたる人ありて独色を変じたるよし。 誠におふべからざる事左のごとし。 猿を聞て実に三声のなみだといへるも、 実の字、老杜のこころなるをや。猶雁の旬をしたひて、
麦わすれ華におぼれし鷹ならし 素堂
この文、人に事づかりて、とどけられしを三人聞き、幾度も吟じて
手をさしかざす峰のかげろふ 野水 橇の路もしどろに春の来て 荷今 ものしづかなるおこし米うり 越人 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年06月16日 05時46分46秒
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