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2021年06月16日
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「芭蕉庵十三夜」素堂47 元禄元年(1688)

 

 素堂---

 

  ばせをの庵に月をもてあそびて、

只つきをいふ。

越のひとあり、つくしの僧あり。

まことにうき草のこらず水にあへるごとし。

あるじも浮雲流水の身として、

石山のほたるにさまよひ、

さらしなの月にうそぶきて庵にかへる。

いまだいくかもあらず。

菊に月にもよほされて、吟身いそがしひ哉。

花月も此為に暇あらじ。

おもふに今宵を賞する事、

みつればあふるるの悔あればなり。

中華の詩人わすれたるににたり。

ましてくだらしらぎにしらず。

我が国の風月にとめるなるべし。

 

   もろこしの富士あらばけふの月見せよ  素堂

   かけふた夜たらね程照月見哉      杉風

   後の月たとへば宇治の巻ならん     越人

   あかつきの闇もゆかりや十三夜     友五

   行先へ文やるはての月見哉       岱山

   後の月名にも我名は似ざりけり     路通

   我身には木魚に似たる月見哉    僧 宗波

   十三夜まだ宵ながら最中哉       石菊

 

  木曾の痩もまだなをらぬに後の月

はせを仲秋の月はさらしなの里、

姥捨山になぐさめかねて、

猶あはれさのみにはなれずながら、

長月十三夜になりぬ。

今宵は宇多のみかどのはじめてみことのりをもて、

世に名月とみはやし、

後の月あるは二夜の月などといふめる。

是才士文人の風雅をくはうるなるや。

閑人のもてあそぶべきものといひ、

且は山野の旅寐もわすれがたうて人々をまねき、

瓢を敲き峯のささぐりを白鴉と誇る。

隣家の素翁丈山老人の「一輪いまだ二分粥」といふ唐歌は、

此夜折にふれたりとたづさへ釆れるを壁の上にかけて、

草の庵のもてなしとす。

狂客なにがし、しらら吹上とかたり出けれは、

月もひときははえあるようにて、

中々ゆかしきあそびなりけり。

 

     貞享五年戊辰年菊月中旬      蚊足著

  

   物しりに心とひたし後の月

 

 

  模刻素堂真蹟(寛政年刊)…著述年不詳

 

  むかし九月十三日夜、

芭蕉の翁さらしなの月より帰りて、

木曾のやせもまだなをらぬに、

けふの月と詠じつきの會をもよほしけるに、

こしの人ありつくしの僧あり、

まことに浮草のうきぐさにあへるがごとし。

そもそも今宵の月を賞する事中華にハきかず。

ましてくだら、しらぎにもしらず。

我日の本の風雅に富る成べし。

 

   もろこしに富士あらば後の月見せん   素堂

 

 

元禄元年(1688)『芭蕉書簡』素堂47

 

 芭蕉…

   

和柳御坊様夏花集豚筆跋は御迎侯へ共、

名前次第之跡書直し可申と存候へ共、

其儘と有之いずれにも近日書添へ可仕候まま、

まずまず御まち可被下侯。

 

素堂主に別書申上候まま是もきぬせつ下さて、

書写之事被仰越候へば、

ちかき内□□又々□□此通に御座侯。

   

朝顔は酒盛知らぬさかり哉      はせを






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最終更新日  2021年06月16日 06時32分24秒
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