2298269 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2021年06月16日
XML
カテゴリ:山口素堂資料室

元禄五年(1692) 素堂51才『俳林一字幽蘭集』水間沾徳編

 

(原文は漢文)口語訳

 

沾徳水子嘗て俳優の旬を好みて、

遂にこれを業とす。

ちかごろ一字幽蘭集を撰ぎて余に説を求む。

夫れ幽蘭なるは、

まさにこれを離騒に取りて文を除き蘭長ずるの意なり。

我聞く

楚客の三十畝もことに少となさず芳んばせを千歳に余すといえども、

未だ梅をわするるの怨み無きこと能はず。

その集や筆を性の一字に起こして

情心・忠孝・仁礼・儀智・姶終・本来等総て百字の題を掲げ、

以て花木・芳草・鳴禽・吟中四序、

当に幽賞すべき風物を伴び載せてこれをわすれず。

何ぞ怨有らんや。

又その集の従て来る所を多づぬるに、

前の岩城の城主風虎公撰したまう所の

「夜ノ錦」「桜川」「信太ノ浮嶋」此の三部の集、

世に行なはれざるを愁いてなり。乃ち苹して彼の

  三部の集より若干の句を抜きてこれを副るに、

古風いまようすがたの中、

その花の視るべきして其の実食すべき者の□くこれを拾ひ、

これを纂め以てその左に倭歌漢文(やまとうた・からぶみ)を

引證して風雅の媒と為す。

是れ編める者の微意なり。

以て愛(めで)つべし。

是れにより夜ノ錦、夜の錦ならず浮嶋も所を定め、

桜川も猶春に逢ふがごとし。

然といへども人の心面(おもて)の如くにて一ならず。

或は自ら是とし他を非なりと誘る説を為す。

誰かその眞非眞是を知らん。

各是非の間を出でざるのみ。

しかのみならず世人多く新古の弁を費やす。

これ何の意ぞや。

想ふに、夫れ天地の道変(うつりかわり)以て常とし、

俳の風体も亦これに然り、

寒きに附き熱に離(さか)る時の勢ひ、

自ら然ることを期せずして然る者なり。

強いて論ずべからず。

沾徳水子その趣きを知る人なり。

 

これが為に素堂書す    佐々木文山(書家)写し

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年06月16日 13時02分03秒
コメント(0) | コメントを書く
[山口素堂資料室] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

山口素堂

山口素堂

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

9/28(土)メンテナ… 楽天ブログスタッフさん

コメント新着

 三条実美氏の画像について@ Re:古写真 三条実美 中岡慎太郎(04/21) はじめまして。 突然の連絡失礼いたします…
 北巨摩郡に歴史に残されていない幕府拝領領地だった寺跡があるようです@ Re:山梨県郷土史年表 慶応三年(1867)(12/27) 最近旧熱美村の石碑に市誌に残さず石碑を…
 芳賀啓@ Re:芭蕉庵と江戸の町 鈴木理生氏著(12/11) 鈴木理生氏が書いたものは大方読んできま…
 ガーゴイル@ どこのドイツ あけぼの見たし青田原は黒水の青田原であ…
 多田裕計@ Re:柴又帝釈天(09/26) 多田裕計 貝本宣広

フリーページ

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.
X