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2021年08月08日
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甲州台ケ原宿・教来石の俳人 臺珉 甫秋

 

発句

霍公鳥むら雨かゝる遠音哉    臺眠

 

文政十三年(1830)

《『かれあやめ』保教撰 文政十三年(1830)刊行》

 

琵琶とやら袋の儘に引かたげ   甫秋

 

《筆註》

臺眠周辺の俳人たち(特に北巨摩)の活動については現在調査中である。

甲斐のこの時代の著名俳人については、(故)清水茂夫氏や池原錬昌氏、それに清水昭三氏の研究が世に出ているので、いまさらの感がするが、全体を調べてみないと、臺眠や甫秋、素明、河西素柳などの実体が浮かび上がらない。

 

 

県立図書館所蔵  白州関係文人懐紙

山梨県図書館『郷土資料文学部門』には、白州に関する諸書が蔵されている。

横手保民(彦左衛門)跋文『詠不二山百首歌』 

嘉永七年(1854)刊。

横手保民  『懐紙』 年不詳。

桜井義令  『林外印譜並短歌十首』

年不詳。 義令は号を鴎州又は林外と称す。

桜井義台  『安永日記』(桜井義令の父。)

北原八兵衛光明  『懐紙』 年不詳。

短歌各二首、光明は台ケ原の人。通称八兵衛、桐屋鳳とも称す

 

このころは定かにみえぬ磯の松

天の橋立霞わたりて

心して色にも出さず忍びつゝ

かたみにしらぬさまにすごさん

見渡せば立つる烟も見えぬまで

霞めたり遠の村里

(年不詳。)

 

伏見房澄  『懐紙』 年不詳。

巨摩台ケ原の人。房澄は台ケ原問屋、伏見太郎平(兵衛)のこと

 

白州町 台ケ原 北原家の文人

北原家には臺眠と鳳翁の二人の文人が確認でき、鳳翁に真蹟は貴重でその格調の高い筆跡と和歌は当時から著名な文人として認められていたことが推察できる。臺眠の直筆は不明であり、今後の調査に待つしかない。

台ケ原宿から諏訪に向かって次の宿場の下教来石に臺眠と同時期に活躍した俳人塚原甫秋が居た。甫秋も臺眠と親しく様々な撰集に掲載されている。甫秋の子幾秋は、現在の武川村山高の実相寺境内の国の天然記念物《神代桜》のそばに、芭蕉の句碑を建立した折の『大櫻集』を編んでいる。

台ケ原宿やその周辺には臺眠の他にも文人墨客もいて、台ケ原の俳号竹山・黒沢、教来石の甫秋らの名が見える。

 

にひなふ鳥 北原臺珉編

 

臺珉は山梨県北巨摩郡白州町台ケ原の俳人。本名北原市之亟光久。

諏訪図書館 『長野俳人大辞典』「出典資料一覧」

○にひなふ鳥 北原臺珉編。寛政十一年刊。半紙本。可都里序。跋なし。

京、勝田喜右衛門板。

 

臺珉は山梨県北巨摩郡白州町の俳人たち。

 

『甲州文庫史料』八巻に翻刻。

 

この記述は辞典記事収集の中で山梨県関係の協力者の調べ上げたもので、辞典編集時の調査であり、山梨県の人の資料提供ではないかと思われる。

なお、臺民の初入集俳書『春秋稿五編』を編んだ加舎白雄は、安永四年(1775)に甲州に来ている。その折『甲峡紀行』を著している。

四年の冬に江戸を出て白根山の麓で五年の春を迎え、その後「塩の山」「差し出の磯」「武田氏旧跡」「坂折宮」「石和川」 「善光寺」「身延山」を歴訪し甲州道中を経て信州に出る。

その際に交流のある大月初狩の俳人たちの芭蕉塚の建立に参加している。この芭蕉塚は明治四十年の山津波で流失し、大正末年に下流の川畔の畑の中で発掘された。山津波で流失した芭蕉塚の在った付近には山本周五郎(当時四歳)が住んでいた。

この折、台ケ原も通過しているが臺民との接触は伝わらないが、その十年後の『春秋稿五編』に臺民の句が入集している。その前後に可都里とも接触、各地域の俳人たちと接触するようになる。






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最終更新日  2021年08月08日 06時55分45秒
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