カテゴリ:白州町・武川町 歴史文学史蹟資料室
歌仙 大かたの月夜にあへりうめのはな 可都里 * うくいすの身はしつかなりけり 臺珉 四つ五器をそろゆる春に住つきて 里 * 行ともとると橋の二すち 臺 * かきつはた市の中よりひらきかけ 臺 手のひらに降むら雨をみる 里 旅人をあすは隔てん伊駒山 〃 * 楠のはつれに鳴は何鐘 臺 くれぐれと下手に出来たる張火桶 里 * 連歌の恋にせめられるゝ身は 臺 翠簾の香の右へ除れは左より 里 * 月の夕霧ほかくとたつ 臺 引板鳴子静に里をさわかせて 里 * 地蔵ほさつの眼もあかぬ秋 臺 又六に損をかけたる雨のくれ 里 * 琵琶もつ足のたゆむ舟はた 臺 一重山ふたつの中のたゆむ舟はた 里 * ひはりの啼ぬ曙はなし 臺 * 我庵はちいさけれとも春かすみ 臺 盗人後世の縁にひかるゝ 里 * 玉川の水をいくつも飲くらへ 臺 炬のあかりに卯の花かちる 里 * 惚くと夏にすゝめる菅蓑や 臺 信夫の氏をつゝむかなしさ 里 * 念仏を聞く鷺の眠るらむ 臺 浪を相手に生のひる人 里 * 朝顔のことさらはやき志賀の京 臺 早稲の餅つくさかり也けり 里 * 澄きって五夜も六夜も秋の月 臺 こゝろかよれは鉢たゝく僧 里 土器を踏つふしたる這入口 里 * 馬を負せし花の大枝 臺 * 長閑なるおとゝの姿おかみけり 臺 宇治の朝日に夏かちかつく 里 声は駒鳥ならす鶯ならす 〃 * にふなひ鳥といふは渡鳥 臺
滝亭台珉 撰 寛政十一年未八月 京四条通河原町西へ八丁 書林 勝田喜右衛門 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月08日 07時01分57秒
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