カテゴリ:歴史 文化 古史料 著名人
○鳥丸光広卿 職人歌仙 一話一言 大田南畝纂著
左 医師 あふことのほかには何をくはふべき恋てふものき楽なりせば 右 陰陽師 身の上を見通してこそ頼まれめよしうすやうのひとへなりとも
左 仏師 たち居さへ檀那まかせの釈迦あみだ人をばいかで送り迎へん 右 経師 すり置ける経をも人のめさぬまはつをさげづちの帋や打らん
左 番匠 人の家すみがねあてゝみる大工我身になればなどゆがむらん 右 鍛冶 まてしばし隣のかぢのつちの音みのこす夢のさきかくるまを
左 刀磨 とぎあげて大和物とぞみるまゝにやきばは猶ぞたえまなりけり 右 鋳物師 稀にくる人をも早く追ひだしのかねもいもしのうらめしき哉
左 巫女 つるをとにとふ口うらをまかせけり梓の弓のはづはあはねど 右 盲目 ことはりや杖をつきつゝ行座頭さこそはよるのみそはつらけれ
左 深草 深草の野辺の秋風身にしみていくつもかずをかさねさかづき 右 海士人 月もみじたくや藻塩のけふたさにめをしはくとすまの浦人
左 具足屋 長陣を春の日おどす小ざくらはいくさに花をちらさんがため 右 糸屋 糸のねのあがりさがりを先聞て琴のしらべに似たるあきなひ
左 皮屋 わびつゝもきてあつらゆる皮袴きりちんこきる人なふすへそ 右 繍士 はる実をぬいものにしてきむ人はとぶ雁金を紋につけてよ
左 弓屋 ねうちをば十三束にひきつめて弓や八まんまけじとぞする 右 靭屋 たかき屋にとひやううつぼをくむ人のをのが竃も賑ひにけり
左 筆結 手習に児もわか衆もゆふ筆のかすかく物は小新発意かな 右 扇屋 とりかはすかなだこなたの年玉も手玉もゆらに打扇かな 左 彫物師 大やけの御用をきけば乗物もほりめになりていそくかうかい 右 鏡屋 みめわろきいくらの人にいつはりのかゝみのとがをいかけゝるらん
左 傘張 久かたの月のかさをばをのれしもかつら男のそらにはるらし 右 壁塗 窓きはのてぎはをや思ふかべぬりはこてを枕の夢のうちにも
左 組様 絵様してひらりと散すたひら雪是や地しろのかつきかたびら 右 菰折 浪のうつあしやのなだの蒲むしろ螢となるにしくものぞなし
左 塗師 いろにつく人の心のはなうるしあとはげやすき物としりぬる 右 捨物師 春ごとに花見をいそぐひものしのうたの心はだいにこそあれ
左 博打 当りめのはづるx時は負博打さいをばもまで身をやもむらん 右 船人 はるばると浪路をはしる舟人ぞ月より空のほしや見るらん
左 針磨 いとわかき人の為には細くなるものぬいはりのめにぞ入らし 右 数珠引 数珠引の弟子がぶしやうをする時はたへるま程にやめを乱すらん
左 桂女 たちよりて詠る月の桂あゆこはうるかとぞいふべかりける 右 大原人 出立しで出ぬる時は大はらもはやへそへそとやせわたるなり
左 商人 垢つける身をば思はであき人のよき衣ぬぎておへるれんじやく 右 桶結 朝夕にかつらくといふ事も入湯の桶の妬れからぞかし
○ 西鶴の句 なへて世に桜がさかず下戸ならば 西鶴
○太閤秀吉公の辞世 ’ 露の世に露ときえにし我身故 ただ何事も夢の又夢 或書に見へたるよし塙勾当の話なり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月30日 06時57分42秒
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