カテゴリ:山口素堂資料室
附合は追結ぬか佳也、 『魔詞十五夜』(まかはんや)素堂三十三回忌追善集中 黒露編
附合は追結ぬか佳也、例えば人をも追つめぬれは縛るか、たゝくか切もせねはならす、さすれは夫けりにて余情なし、然は跡も附よきやうに一旬をいひ詰すして渡すべや、馬や鉄壁へのりかけては乗かへさんとす るも不自在、こゝに前方に手綱を敲きてゆるやかに乗れば至然と其行は乗すますらん、 句や全くいひつめる故に余意もなく、次旬の慟もならす、皆是知れる所也、只追詰ぬといふか工夫也、発句はいと上匹詰めず、理屈と十露盤か合過れは発句にあらず、助証字の余光にて考ふべくや、淑人の芳野の雲を花か雲かと見まかふやうな悪き眼力も有まし、花や雲やと追不詰ところこそ命なれ、 露のまには花や咲らん、立のほる夕霧の 中には、鹿も鳴らん物をとおしはからる幽玄鉢、さる一句の高尚洒落、そんな古いことを誰かしらさらむ、仏法もふるくさく、見識かましきははやらす、一向あなたの御すくひまします、易行の御念仏、南無妙法蓮 華宗論の狂言の小舞に、今よりしてはふたりか名を妙阿彌陀にとそもうしける。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月27日 08時15分43秒
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