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山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

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2021年09月30日
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カテゴリ:山口素堂資料室
 宝永四年(1707)『東海道記行』著す。--従来詠んだ句・和歌を再編集する--
 『素堂旬集』所収。享保六年刊。子光編。
 『行脚随筆』
 旅行のもよほしけるの初めに、
  番信入梅報早春 時鞭心地向芳辰
  改端六気往釆路 我亦乾坤一旅人
 『東海道記行』
  立ちのぼる雲とかすみも白妙の雲にかさなる山ハふじのね
 大磯にて
  あれて中々虎が箱根のつぼすみれ
 
 鳴立沢の西行堂に投ず
 
  何となくそのきさらぎの前の河
 誠や、この本尊のみくしハ文学のきさミたまふといますかことくおもほゆるなるべし。
  ねがわくハ花のもとにて春死なむそのきさらきのもち月のころ  西行法師
  ねかひつるそのきさらきハたかはねと消にし雲のあれとかなしき 定家卿
 箱根の峠に泊まりて
  波の花か沖の小嶋の見ゆとまつ
  箱根路をいまこへくれハ伊豆の海や沖の小嶋に浪のより見ゆ   定朝卿
 するがのすミた河を尋ぬるに庵原左衛門の在所庵原村あり、其の前の流を庵原川と云、其の海の方に庵崎河あり。
  都鳥のこととひてみし名にしほふすみたかはらの島ならはとり
 夫木集に
  都鳥ここにもありやいほさきのすみだ河原の名こそかハらめ
 琵琶湖を遇る頃雨にあひて
  風巻山雲落水涯 無辺姻浪雨尚歌
  琵琶亦比美人面 正是昭君出漢時
 東披が詩に
  若把西湖比西施 淡粧濃抹両相宣
 洛陽に春をむかへし頃
  積隠啓     風色加
  氷解水中水   雪残花外花
  旅亭活計有何事 一曲春声一椀茶
 石川丈山の詩仙堂をたつねて六言六句をいふ
  先尋日東季杜  静対中華仙顔
  山鳥暗長松林  野客人老梅関
  詩興猶何処好  泉石前翠微面
 朝鮮の学士丈山翁の日東の季杜と称美しけるにより、起白にしかいふ。又詩を題させれは庭に入るを許さず。よつて梅関といふ。
 東山にて、
  木の間ゆくかつぎにとらし桜哉
 同じ豊国にて、
  朝鮮もなびしきあとや野人参
 鴨長明鎌倉にて頼朝卿の募に詣でて法華堂の柱に書つく
  草も木もなぶしき秋の露きへてむなしき苔をはらふ山の勢
 朝鮮まで切りしき玉ふ名残に薬種名に似たる無用の草の生出けるにや、実に感慨すくなからず。粟津が原にて奮友はせをの墓をたずねしに、
  滋賀の花この海の水それながら
 むかひに滋賀の山、前に潮水あり。そらハたぶさかにかけるたてる糸かかり三世の仏に花たてまつる。又一休の詠に、
  山城の瓜や茄子もそのままにたむけなすこそ鴨川の水も
 この二首にすがりていふ。
 蛍見宇治
  きせん法師蛍のうたもよまれけり
 古今集の序によめる歌多からぬよえし見侍れとも、樹下集に其泉と文字かはりて蛍の歌あり。
  木の間よりミゆるハ谷の蛍かも沖行舟の阿万のやく火か
  <参考>
 石山寺乃ふもとに蛍見にまねかれるころ、
  水てりてうなぎの穴の蛍哉
  粟津野やこのまの星の打蛍
  ふくる夜は簾も蚊やも蛍哉
 あくるあしたのあるじの手より蛍をうすぎぬに包て送りけるに
  後朝にきぬ引かつぐ蛍かな   素堂 <山梨県立図書館蔵>
 六月後四日あたこ山にのぼりて、大善院に一朝のころ、白雲を下界のかやにつる夜かな同じく教学院に十六ケ国の別当るよしをききて、
  主賓携手上飛桜  二八国光入寸眸
  亭外白雪塵外地  悠々自在乗風遊
 ミな月晦日鴨川にあそびて、
  みたらしや力は流るるとしハすれ
 八月十五夜岩清水の詣侍りて、
  くもりなき美代そや月のをとこ山名たかきかげをほてらすなむ
 同じいざよいに廣澤に遊て、
  我舞て我にミせけり月夜かな
 北山の草枕にいざなはれし頃、
  茸狩りひとつ見付しヤミの星
 古き歌に、
  ほしひとつ見付けたる夜のうれしさはつきにまさる五月雨の空
 石山寺へもミち見にまかりし頃、
  雲半ば岩をのこしてもみちけり
 奥山氏の園中に遊びて
  西瓜ひとり野分をしらぬあした哉
  ずっしりと南瓜おちてゆふべかな
、西瓜のあした、南瓜のタベ対の対たり。
 一二句失念。
  嘗聴寒山道骨  秋中陶潜不知誰
 草山集に愛こ山を釈中淵明と覚かし玉ふにより云。
嵯峨季秋遊嵯峨之圧離庵  
両三日行臨大井川  
清流坐看小倉山閑雲
   園中貯四時之花謂之四時叢  
我聞三閭太夫之九?之蘭  
五柳先生之三径之菊
   風涼則風流也  
■測然啻愛一様之花而不周  
四時主人之愛花可謂至牟
我隠愛花之心和也  
愛水心之情也  
愛山心之静也  
此境水辺而山不遠
   花有四時叢心与境  
夜道以為楽至  
吟賞之余題一絶去
   回序分略花作隣  
一叢送古一叢新
   文賓得客篇之閑  
紫柱状還又向春
 嵐山のふもとに禅坊を叩いて
   朝送山雲山  
夕看飛鳥帰  
   初知梁境婦  
又  約叩柴之扉
 大和めぐらせし頃、よしの山に入、
  をちにミしきのふの雲をけふわけて花になれゆくみよしのの山
 西行法師の蕾庵の跡をたづねて
  はなころもけふきてそしるよしの山やがて出じのこころふかさを
 同じくとくとくの文をむすびて、
  山かげにひとくひとくとなくとりも岩もる水のおとにならひて
 西行法師、
  とくとくとおつる岩間の苔清水汲ほすほどもなきすまひかな
 尋問南朝跡
 尋問南朝跡  
 行々遠市塵  
 前山紅世界  
 後嶺白雲浮
 皆聴降天女  
今尚有地仙  
臥花南三日  
可惜別苔莚
 同夜興唱句
  自雲燭景(ボンボリ)
 日月笠を暈(かさ)といへばたはれむにいふ。
 よしの川にて
  鮎に鮎花の雫を乳房にて此てはさかなにつよくなへしや
 初瀬にて
  宿からん花に暮なば貫之の
 貫之は初瀬のまうし子なれハ其宿坊に初瀬もある可候やのきまり歌、古き集にただ一首ありと見へ侍り、ちかくは後水尾院御製もい出て、
  人めの閑をしるしもうしゆるすとハなき袖のなみだの
 三輪
  至れりや杉を花とも社とも
 この神にハ杜なし、なきそ神のかたちなりけれの心なるべし。
 暮春、井出の里にて
  春もはや山吹白く芭にがし
 玉津嶋
  霧雨に衣通姫の素貌みん
 播磨めぐわせし頃唱句
  牛行花緩緩 
 猶牡丹花をになひて
  遅き日やしかまのかち路牛で行
 書写寺へまいる詣しに、弁慶法師の手習せし所とて、其ほとりに弁慶水ハ是之と人の教へける。
  弁慶の面影自し花の雪
 姫路の丁を過けるに、名高きお夏の家はここなりとききて、
  さてハそうか花の徳とてなつかしや
 西国くたりに、
  さみしさを裸にしけり須磨の月
 明石の浦にて、
  朝霧に歌の元気やふかれけむ
 近思録に孔子は四時の元気之なるを以て人丸も歌の聖なれば云而
 巌嶋、いつくしき此島のめくり七星回廊に
うしほのみちたる景気ハさていはしかたなし。
 額面
  表 伊都岐島 空海筆
  裏 巌島   道風筆
 宝物あまたある中に平家一門寄向候書の法華経廿八品、清盛入道、安徳天皇御護生前の願書墨いまだかはかぬやかたあり、
  回廊に塩みつくれは鹿そなく
 
 唐津にて
  珠は鬼火砂糖は土のごとくなり
   筆註 -
入手した手書きの写本はここで終わる。続きの復元は下記による。
 『元禄名家句集』『素堂句集』『素堂家集』
  入船やいなさそよぎて秋の風
 唐津にて、
  二万の里唐津と申せ君が春
 ふじ二て、
  山は扇汗は清見が関なれや
 中山
 
  茲ぞ命顔淵が命夏の月
  六月やおはり初物ふじの雪
 勢田にて、
  夕立や虹のから構月は山
 木曾路を下りけるころ、
  タ立にやけ石寒し浅闇山
  鴨の巣や富士にかけたる諏訪の池
 紀南玉津島にて、
  霧雨に衣通姫の素顔見む
 高野山にて、
  しんしんたる山はいりはのはじめ哉
 丹陽のはしだてにまかりける頃大江山をこゆるとて、
  ふみもみじ鬼すむあとの栗のいが
 和泉式部、保昌に具して丹後に侍りける頃都に歌合ありけるに、
小式部内侍歌よみにとられて侍りけるに、
定頼卿の、つぼねの前にまうで来て歌はいかがさせ給ふ、
丹後へ人はつかはしけるや、使まだまうで来ずやど、
たはぶれて立てりけるをひかへてよめる
  大江山いく野の道の遠ければ
 はしだて、
  月夜よし六里の松の中ほどに
  橋立や景過もせず霧のひま
 宮津のやどりにて、
 
 浦島が鰹は過ぬ獅いまだ
 宮津主人水上氏へ、
記得杜翁句  
天柱再度時  
四海浮海水  
独月掛松枝  
清話眼相対  
吟行影亦随  
人間萍水会  
旅泊是生涯
 勢州山田がはらにて、
  ほととぎすかたじけなさやもらひなき





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最終更新日  2021年09月30日 18時02分21秒
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